政府の来年度予算案の編成に向け、川勝平太知事は30日、県選出の民主党衆参両院議員と県庁で意見交換した。川勝知事は「県内に医科大か、大学医学部の新設を認めてほしい」と述べ、医師不足問題に対処するため国は医大などの新設を早期に認めるべきだと強調した。同党側は「医療分野は規制緩和を進める方向だが、十分ではない。これからも党内で取り上げたい」と述べた。
民主党の県選出衆参両院議員は計11人で、このうち出席したのは牧野聖修県連会長(衆院静岡1区)ら9人。藤本祐司国土交通政務官(参院議員)と細野豪志幹事長代理(衆院静岡5区)の2人は欠席した。
また川勝知事は「御前崎港、田子の浦港、清水港を一体的な駿河湾港として育てることが急務だ」との認識を改めて示し、支援を求めた。このほか、地震・火山噴火対策▽静岡空港の機能強化▽警察官の増員--などについて話し合った。
川勝知事は就任後、地方から国への「陳情」を批判。県知事や幹部職員が大挙して上京し、国会議員や中央省庁に政策実現を要望する形態からの決別を唱えた。昨年1月から、県選出の国会議員との意見交換会を定期的に県庁で開いており、今回が3回目になる。【平林由梨】
毎日新聞 2010年8月31日 地方版