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一連の報道と日本学術会議会長談話を受けての当学会の見解

 日本ホメオパシー医学会はホメオパシーを日本の医療のなかに弘めるべく2000年1月に設立され、現在は医師、歯科医師、獣医師、薬剤師の4部会からなり会員総数は460人です。
 ホメオパシーは200年余の歴史を有する代替療法の一つで、多くの代替療法と同じように身体、心、生命の一体となった人間まるごと働きかけるきわめてホリスティックな医学です。
 身体はともかく心と生命については科学がこれを十分には解明していない現在、これらに働きかける代替療法が十分な科学的根拠を備えるわけにはいきません。これは代替療法の責任でなくまだその域に達していない科学のほうにこそ責任があるのです。
 代替療法を用いる場合は科学的根拠には難があることをしっかり押えた上での広い視野と謙虚さが要求されます。
 医療とはそもそも、イコール医学ではありません。医学は科学およびそこから生まれた技術であるのに対して、医療とは患者を中心に家族、友人、さまざまな医療者が織りなす“場”の営みです。医学はもちろん重要ですが“場”に温もりが与えられて、“治し”と“癒し”が統合されてはじめて本来の医療です。
 この癒しを担当するのが代替療法とお考え頂ければよいと思います。治しを担当する西洋医学とは同列には論じられませんが、こと医療となると大事な役割を果たしているのです。最近の医療現場はなんとなく殺伐としています。医療とはもっと患者にやさしいものであるはずです。
 以上のような理由で、私たちは代替療法の存在意義を認め、なかんずく心身に対するやさしさでは最右翼に位置するホメオパシーを日本の医療のなかに弘めるべく日夜努力を重ねている次第です。どうか暖かいかつ厳しい眼で見守って頂きたいと思います。
 なお、今回の話の発端は、あるホメオパシーの経験のある助産師が、ごくオーソドックスな治療を中断せしめて死に至らしめたことと伺っています。もしそうならば、これは言語道断この上ない話です。
 代替療法を用いるに際しては十分な医学知識がその根底になければなりません。つまり代替療法といえども、あくまでも医師がこれを行うのが理想です。
 今回はたまたま代役を果すべき治療法がホメオパシーであったわけで、これが漢方薬であってもアーユル・ヴェーダであっても結果的には同じだったでしょう。だから、この一つの事件をもって、いきなりホメオパシーを非難するのはなにか唐突な感じがしてなりません。
 日本学術会議の談話も、医療と医学をはっきり区別せず、また医療現場の抱える問題に直面しないがための誤解と受取りました。ホメオパシーは代替療法の一つ、代替療法は本来の温もりのある医療の一翼を担うものとする本会の姿勢をおわかり頂きたいと思います。
 私たちが望むものは、あくまでも医療の復権です。
 ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

2010年8月30日

一般社団法人 日本ホメオパシー医学会
理事長 帯津良一



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