元プロレスラーで新日本顧問の山本小鉄さんが28日朝、低酸素性脳症のため長野県軽井沢町の病院で死去した。68歳だった。
全日本の29日・両国大会では、山本さんを追悼する10ゴングが鳴らされた。武藤が遺影を手にし、船木、鈴木、西村と、鬼軍曹に育てられた4人がリングに登壇。鈴木も涙を流し、ファンとともに早すぎる死を惜しんだ。
武藤は「病気とかじゃないし、本当に急だった」と驚きを隠さなかった。入門の際に面接、テストに立ち会ったのが小鉄さん。1週間の厳しい練習後「やめます」と弱音を吐いた。普通の練習生ならドロップアウトしただろうが、武藤には「待ってろ」の言葉が返ってきた。
「存在感を認められたうれしさで残った。あの言葉があったからこそ、今日に至っている。オレたちはコーチを受けた最後の弟子。貴重な先輩だった」と、亡き師匠に感謝した。
(2010年8月29日)