名古屋市議会:リコール署名活動、小沢系議員秘書が支援

2010年8月29日 10時31分 更新:8月29日 11時35分

休日に多くの市民が詰め掛けた市議会解散署名の受付所=名古屋市中区のバスターミナルで2010年8月28日、高橋恵子撮影
休日に多くの市民が詰め掛けた市議会解散署名の受付所=名古屋市中区のバスターミナルで2010年8月28日、高橋恵子撮影

 名古屋市の河村たかし市長が主導する市議会の解散請求(リコール)の署名活動を、民主党の小沢一郎前幹事長に近い国会議員数人の秘書が手伝っていることが、28日わかった。市長の支援団体幹部らは同党代表選での「小沢氏勝利」を待望。河村市長は小沢氏に近いとされ、「小沢代表が誕生すれば署名活動などへの追い風になる」と期待する。一方、河村市長への推薦取り消しを党本部に求めている党愛知県連は「市長はすでに民主党とは関係ない」と冷ややかだ。【高橋恵子、丸山進、加藤潔】

 「小沢さんに親しい人が応援に来る可能性が出てくる。我々の士気も上がる」。市議会リコール署名を開始したばかりの「ネットワーク河村市長」の関係者は、9月14日の民主党代表選の行方を注視する。別の幹部も「小沢さんが代表になれば、署名活動や次期市長選での応援も期待できる。いい風が吹くのは間違いない」と話す。

 昨年4月の市長選で河村市長が初当選した当時の党代表は小沢氏。党愛知県連は当初、他の人物を擁立する方針だったが、事実上の「小沢裁定」で河村氏が同党推薦で立候補した。今年7月の参院選では、河村市長は小沢系候補の応援で全国を行脚した。

 地域政党「減税日本」を設立した河村市長は、これまで「小沢さんは新進党代表の時、消費税率引き上げに反対した。減税に理解がある。『減税民主党』にしてほしい」と語るなど、小沢氏の政治姿勢を評価している。

 関係者によると、27日に始まった議会リコール署名で、小沢氏に近い民主党国会議員数人の秘書が名古屋入りし、市長の支援団体事務所で手伝いをしているという。議員が自主的に送り込んだとみられるが、河村市長と小沢氏の関係の深さを改めて示している。

 市長周辺からは「小沢氏が代表に返り咲けば、県連が党本部に求めた市長推薦取り消しも認められなくなる」と期待する声が出る。

 これに対し、党県連代表の牧義夫衆院議員は「河村市長に党籍はなく、全然関係ない人。県連の推薦取り消し決定がくつがえることは絶対にあり得ない」とにべもない。同党市議の一人は「誰が党代表になっても、署名活動にはなんの影響もない」と話している。

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