米国人抑留:ゴメス氏、本当に自殺図った?

親族「断食していただけ」

北朝鮮がうそ?

 米国のカーター元大統領の訪朝で、7カ月ぶりに開放された米国人アイジャロン・マリ・ゴメス氏は、本当に自殺を図ったのだろうか。それとも、北朝鮮が米国の高い地位にある人物を訪朝させようと、虚偽の話を広めたのだろうか。

 北朝鮮の朝鮮中央通信は先月9日、「(8年の労働教化刑を受け、)労働教化中の米国人ゴメスが、深い罪悪感を抱くと同時に、救援対策を講じない米政府に対する失望感から自殺を図った。現在は病院で救急治療を受けている」と報道した。

 「ゴメス氏が自殺を図った」と伝えられたのを受け、オバマ政権内では「同氏を早急に救出すべき」という意見が急速に広がり、カーター元大統領の訪朝が決まった。今月中旬には米国務省医療チームが同氏を診察するため訪朝している。

 ところが、ゴメス氏の叔父マイケル・ファロー氏は28日、ニューヨーク・タイムズ紙とのインタビューで、ゴメス氏について「実際には断食をしていただけ」と、自殺を図ったという話を否定した。ファロー氏は「おいの体はどこも悪くない。家を離れ、少し不便に思っているようだが、それ以外には非常にいい状態を保っている」と語った。長期間の拘束に対し断食で抗議したのを、北朝鮮当局が「自殺を図った」と宣伝した可能性を示唆したのだ。

 この疑問に対し唯一答えられる立場にあるゴメス氏は27日、カーター元大統領と共に飛行機で米ボストン・ローガン国際空港に到着したが、一言も発しないまま家族らと自宅に向かった。

ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
関連記事
記事リスト

このページのトップに戻る