東京中日スポーツ 55周年企画
55周年イヤーの記念事業や紙面企画をご紹介します
トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事
【プロ野球】秋山 プロ初星 高卒ルーキー 遠山以来24年ぶり2010年8月29日 紙面から
◆阪神9−2ヤクルトこの瞬間を待っていた。阪神ナインからの祝福の嵐。満面の笑みで応える秋山の左手にはしっかりとウイニングボールが握られている。プロ2度目の先発で、つかんだうれしい初勝利。「初めてなんで、すごくうれしいです。先発として試合をつくるんだという気持ちだけで投げました」。敵地・神宮でもこだました“秋山コール”。カクテル光線に照らされた19歳の笑顔はひときわまぶしかった。 6イニング4失点で初黒星を喫し、涙した21日の巨人戦から中6日での登板。球速は140キロ前半とスピードもキレも前回より、劣ったが、それでも落ち着いたマウンドさばきで、好調ヤクルト打線を封じていく。2回、3回には2度満塁のピンチも招いた。とくに同点とされた2回2死満塁はフルカウントと絶体絶命の場面だったが、内角低めに直球を決め、田中を右飛と詰まらせた。受けた城島は「調子はあまり良くなかったけど、あの満塁の場面であの高さに投げられるのは大したもの。1年生ばなれしている」と高く評価した。 西条高からドラフト4位で今季入団。ドラフトの際には、指名順位が予想よりも低く、悔し涙を流すなど、負けん気の強さは人一倍だが、それがプロでもいい方向に出ている。阪神の高卒新人の1年目でも勝利は1986年遠山以来、24年ぶり。ただ、その快挙にも、秋山は「ルーキーということを言い訳にしたくない。もっと長い回を投げたいし、無駄な四球をなくさないと」と反省を忘れなかった。 先発陣が総崩れする中、最年少が踏ん張って、3日ぶりに首位奪回。孝行息子の出現に真弓監督は「チーム全体が調子を落とす中、しっかり抑えて、いいゲームができた。どんどん続けていきたい」。台頭した若い力が、ラストスパートへの大きな活力になる。(大久保晋)
|