「六厘舎」閉店　最後の３５０杯に徹夜行列も

閉店の日を迎えた六厘舎。ファンは、店頭に置かれたのれんに思いを書き入れた

　長蛇の行列で近隣住民から苦情が起こり、店じまいを決めた東京・大崎の人気つけめん店「六厘舎」が２９日、最後の営業を終えた。通常よりも１００人前も多い約３５０人前を用意したが、午前１０時前に開店して午後３時に完売。行列に無念のストップをかけた。

　最後の客が食べ終わったのは午後５時半。創業者の三田遼生さん（３４）が店先で従業員とともに「５年間ありがとうございました！」と頭を下げるとファンから拍手が起こった。

　最終日一番乗りは前日の午後４時から徹夜で並んだ男性。明けて午前５時には約２０人の列ができていた。この日は六厘舎で修業して巣立ち、沖縄や富山で開業した門下生も自店を臨時休業して応援に駆け付けた。３０代の店員は「客として六厘舎のつけめんを食べて病みつきになり、板前を辞めてこの店に入った。なくなるのは寂しい」と肩をふるわせて泣いた。

　移転先は未定だが、第一候補をＪＲ大崎駅前に都内で検討中。今度は苦情が来る住宅街を避け、繁華街を選ぶ。最終日のファンたちが寄せ書き風に書き込んだ六厘舎ののれんには「新店舗も大崎で」という要望もあった。瀬戸口亮店長（２６）は「近所の方からの苦情もあったが、支えてくれたのも大崎の方々でした。新店舗は進化させて復活させたい」と話した。

（2010年8月30日06時01分  スポーツ報知）

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