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岸田、日本新!世界見えた22秒11/競泳

2010.4.15 05:04
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岸田、日本新!世界見えた22秒11/競泳
眠っていた日本記録を更新した岸田。太い腕、厚い胸板…。将来はスイマーからファイター転向もある?!(撮影・山田俊介)【フォト】

 日本選手権第2日(14日、東京辰巳国際水泳場)伝説誕生! パンパシフィック選手権(8月、米国)とアジア大会(11月、中国)の代表選考会を兼ね、男子50メートル自由形は岸田真幸(24)=キングソフト=が22秒11の日本新記録で2年ぶりに制した。北京五輪代表でもある岸田は、山野井智広が01年世界選手権福岡大会で3位になった時の男子最古の日本記録を9年ぶりに0秒07更新した。将来の夢のひとつがプロ格闘家というマッチョスイマーが、世界記録をブッ飛ばす?!

 水しぶきが飛び散る。両腕の旋回と強いキックで水面を切り裂いた。22秒11。岸田が、01年(22秒18、山野井)に樹立されて以来、破られることのなかった“水域”を抜け、太い右腕を突き上げた。

 「スタートでちょっとミスしたけど、後半はそのままいけた。(記録を)切れてうれしい」

 持ち味は瞬発力のあるロケットスタート。この大会から導入された踏み切り板のついた新スタートブロックにより、足でける力が加わることで爆発力がアップした。「ここで初めて試したけど、勢いがつく」。号砲とともに大きく跳び、ライバルを一気に突き放した。

 豪快な泳ぎ、そして強烈なキャラクターだ。中学3年間はゴルフに熱中。一般ゴルファーなら相当な腕前といえる、当時82のベストスコアもたたき出した。

 将来の夢のひとつにプロ格闘家もある。約100センチの厚い胸板。ベンチプレスでは約127キロを挙げる上半身の強さ。マッチョな体形も自慢で、北京五輪柔道男子100キロ超級金メダルの石井慧が五輪後に総合格闘家に転向したことに刺激を受け、「ボクも水泳界ではガタイがいいから」とジョークまじりでアピール。日本代表・平井伯昌ヘッドコーチも「泳ぎ以外の身体能力も高い」と評価する。

 思い切りのいい勝負師。行き詰まりを感じて早大を1年で中退し、知人を頼って06年に米アリゾナ大に編入。経済学を専攻しながら、レベルの高い環境に身を置いた。登録していた午前中の50メートルバタフライ予選を回避し、この50メートル自由形で日本記録更新に照準を合わせてきたのだ。

 「日本人で初めて22秒を切りたい」。世界記録(20秒91)にはまだ遠い種目。だが、長く閉ざされていた扉をこじ開け、希望の光を差し入れた。(山田貴史)


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眠っていた日本記録を更新した岸田。太い腕、厚い胸板…。将来はスイマーからファイター転向もある?!(撮影・山田俊介)
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