大手百貨店、松坂屋の名古屋駅店が29日、閉店した。長引く消費低迷や消費者の「百貨店離れ」に抗し切れず、36年の歴史に幕を下ろした。
同店は1974年11月に開店。ピーク時の91年には297億円を売り上げ、JR名古屋駅前の「顔」として親しまれた。しかし、売り場面積が1万6000平方メートルと比較的小さく、近隣百貨店との競争激化もあって昨年の売上高は104億円に落ち込んでいた。駅前再開発に絡み、今年2月に閉店が決まった。
最後の客を送り出した午後8時すぎ、下田義見店長は「36年間という長きにわたるお客さまとのきずなを胸に刻み、閉店します。地域の皆さま、感謝を申し上げます」とあいさつ。利用客ら約1000人が集まり閉店を惜しんだ。
[時事通信社]