毎日新聞は28、29日、来月1日告示、同14日投開票の民主党代表選を前に、全国世論調査を実施した。菅直人首相(党代表)と小沢一郎前幹事長のどちらが首相にふさわしいかを尋ねたところ、菅氏が78%で、小沢氏の17%を大きく上回った。民主支持層でも78%が「菅氏がふさわしい」と回答。昨年の衆院選マニフェスト(政権公約)の扱いについても70%が「柔軟に修正すべきだ」と答え、小沢氏陣営が主張する「きちんと実行すべきだ」は27%にとどまった。
民主党代表選を巡っては、党内最大勢力を率いる小沢氏の陣営が所属国会議員票で優位に選挙戦を展開している。これに対し、菅首相の陣営では「政治とカネ」問題を抱える小沢氏に批判的な世論の高まりに期待。調査結果は首相と小沢氏の両陣営に属さない党内の中間票の動向にも影響を与えそうだ。
菅内閣の支持率は、7月24、25日の前回調査から7ポイント増の48%、不支持率は5ポイント減の35%となった。6月の政権発足時(66%)以降の下落傾向に歯止めがかかり、上昇に転じた。「菅氏が代表に再選されて続けた方がいい」は72%に上り、「交代した方がいい」の25%を引き離している。
小沢氏の復権に対しては、警戒感が先行している。政府や民主党内で小沢氏の影響力が強まることについて「好ましくない」との回答は前回調査から2ポイント減ったものの、なお83%に上った。「好ましい」は14%(前回比2ポイント増)だった。
民主党が大敗した先の参院選で、菅首相が訴えた消費税引き上げ問題では、賛成51%(前回比6ポイント増)に対し、反対44%(同8ポイント減)で賛否が逆転した。小沢氏を支持する議員は消費税引き上げに批判的で、党代表選で焦点に浮上する見通し。民主支持層でも「賛成」(56%)が「反対」(39%)を上回っている。
一方、自民党中心から民主党中心への政権交代に関しては「良かった」が62%に上り、「悪かった」(32%)を圧倒。民主党が打ち出した政治主導の取り組みも「評価する」(54%)が半数を超えた。首相が交代した場合の衆院解散・総選挙については、52%が「すぐに解散する必要はない」と答え、「直ちに解散すべきだ」は44%だった。
政党支持率は、民主党が前回から1ポイント増の31%で、自民党も前回比3ポイント増の18%。みんなの党は11%で3ポイント減らし、支持政党なしは30%だった。【坂口裕彦】
◆菅内閣を支持しますか。
全 前 男 女
体 回 性 性
支持する 48(41)46 50
支持しない 35(40)39 31
関心がない 16(19)14 18
◇<「支持する」と答えた方に>支持する理由は何ですか。
民主党の首相だから24(19)24 25
指導力に期待できる9(9)8 11
政策に期待できる 8(12)8 8
政治のあり方が変わりそうだから
55(59)58 52
◇<「支持しない」と答えた方に>支持しない理由は何ですか。
民主党の首相だから6(8)10 1
指導力に期待できない
29(19)29 30
政策に期待できない32(41)31 32
政治のあり方が変わりそうにない
31(32)29 34
◆どの政党を支持していますか。
民主党 31(30)34 27
自民党 18(15)17 18
公明党 5(5)3 6
みんなの党 11(14)14 8
共産党 2(3)2 2
社民党 1(2)2 1
国民新党 0(-)0 -
たちあがれ日本 1(1)1 1
新党改革 1(1)0 1
新党日本 0(0)1 -
その他の政党 1(0)0 1
支持政党はない 30(30)25 33
◆菅首相が民主党代表に再選され、首相を続けた方がいいと思いますか。
続けた方がいい 72 71 73
交代した方がいい 25 26 23
◇<「続けた方がいい」と答えた方に>続投を支持する理由は何ですか。
菅首相の政権運営に期待しているから 10 10 10
菅首相の人柄がいい5 7 4
首相をたびたび交代すべきではないから 83 82 85
◇<「交代した方がいい」と答えた方に>交代させたい理由は何ですか。
菅首相の政権運営に期待できないから 56 50 61
菅首相では民主党内がまとまらないから 31 37 25
参院選敗北の責任を取るべきだから
9 10 9
◆民主党の小沢前幹事長が代表選への出馬を表明しました。民主党の代表選は日本の首相を選ぶことに直結しますが、菅氏と小沢氏のどちらが首相にふさわしいと思いますか。
菅直人 78 74 81
小沢一郎 17 20 14
◆政府や民主党内で小沢氏の影響力が再び強くなることについて、好ましいと思いますか、思いませんか。
好ましい 14(12)19 10
好ましくない 83(85)79 86
◆民主党代表選で新代表が選出され、首相が交代した場合、直ちに衆院解散・総選挙を行うべきだと思いますか。
直ちに解散すべきだ44 46 42
すぐに解散する必要はない
52 51 52
◆昨年の衆院選で民主党が掲げたマニフェストを巡り、党内には、厳しい財政状況を踏まえ柔軟に修正すべきだとの意見と、きちんと実行すべきだとの意見があります。あなたはどう思いますか。
柔軟に修正すべきだ70 72 69
きちんと実行すべきだ 27 26 27
◆自民党中心の政権から民主党中心の政権に交代し、9月16日で1年を迎えます。政権交代をして良かったと思いますか、思いませんか。
良かった 62 68 57
悪かった 32 27 36
◆民主党は政治主導を打ち出し、各省庁の閣僚と副大臣、政務官を中心に政策を立案し、決定しています。これまでの政治主導の取り組みを評価しますか、しませんか。
評価する 54 58 51
評価しない 41 38 43
◆消費税引き上げに賛成ですか。
賛成 51(45)58 45
反対 44(52)38 50
(注)数字は%、小数点以下を四捨五入。0は0.5%未満、-は回答なし。無回答は省略。カッコ内の数字は前回7月24、25日の調査結果。
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調査の方法 28、29日の2日間、コンピューターで無作為に選んだ電話番号を使うRDS法で調査。有権者のいる1683世帯から、1043人の回答を得た。回答率は62%。
毎日新聞 2010年8月29日 20時17分(最終更新 8月29日 21時53分)