最終更新:2010年8月28日(土) 20時41分
韓国併合100年、未開放の放送事情
日本が朝鮮半島を支配下に置いた韓国併合から、29日で100年です。韓国では12年前に日本の大衆文化が開放され、浸透してきている一方で、未だに開放されていないのがテレビとラジオです。
ソウルで開かれた「ベイゴマ」の大会。今、韓国の子供たちの間で大人気です。ブームのきっかけは、日本のアニメでした。書店には日本の小説がズラリ。村上春樹の「1Q84」は、この夏のベストセラーとなりました。
ソウルの繁華街です。日本の看板があふれ、日本のキャラクターも売られています。今でこそこういう状況ですが、韓国で日本の大衆文化が開放されたのはわずか12年前、いまなお開放されていない分野もあります。
それは、テレビやラジオなど「放送」の分野です。一部ケーブルテレビを除き、日本のドラマや音楽などは韓国では放送されていません。韓国の放送関係者は、その理由を「植民地支配を経験した世代への配慮」だといいます。
「(日本の音楽を流すと)政治的、歴史的問題としてとらえる方が多く抗議がきます」(韓国MBCラジオ プロデューサー)
不特定多数の人が接するテレビやラジオで流せば、「見たくない人」「聞きたくない人」にも届いてしまいます。
「(日本は竹島領有権主張を)撤回せよ!!」(韓国市民)
また、領土問題などがクローズアップされるたびに噴き上がる「反日感情」などを考慮すると、編成に日本の番組を組み込みづらいというのです。
「竹島領土問題、歴史、教科書問題などで(文化の開放が)中断しているのが現状です」(韓国文化観光室 パク・チョウォン博士)
日本の番組や音楽がテレビやラジオで放送されない現状は、両国の間にまだ存在する多くの「隔たり」のひとつの現れといえます。(28日17:40)