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たるんだ報道に喝!18

【ニュースメタボ診断】大相撲中継中止。ニュースを自局PRに使うNHK

GALAC 2010年9月号掲載) 2010年8月24日(火)配信

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公人の記者会見を、そのまま流す安易さ

ニュースは、速報性や記録性だけではなく、出来事について視聴者が正しく判断できるよう、必要に応じて裏付けや事実の追加情報も合わせて伝える取材・編集力が必要である。

たとえば今回の名古屋場所開催は、すでに文部科学省が認めていること。賭博事件については警察が捜査中で、暴力団とのつながりはまだ明らかでないこと。6日午前に限れば、寄せられた意見の3人に1人が中継に賛成していること(産経新聞7月7日付)。視聴者からの声の3割から4割は中継反対といっておらず、意見は割れていること。相撲協会の年間収入約100億円の約4分の1がNHKの放送権料で、別の収入源もあること、等々。

NHKが、ニュースで会長の記者会見発言を繰り返し、皆さまのお金で自らの言い分のみ強調する。前日に特番を組んだり、視聴者向けの会長からの説明広報番組を作ったりしてはいるが、ニュースにおける自作自演では報道機関としての機能停止は明らか。視聴者(一般市民)の代弁者として、公共的正義を謳いあげながら、国の将来を左右する選挙のまさに直前に、相撲ネタで日々の自局ニュースをジャックしたNHKの、公共性とはいかに?

べっぷ・みなこ 日本大学法学部准教授。博士(新聞学/上智大学)。専門は米国ジャーナリズム規範史(プロフェッション論)。「アジア戦跡情報館」(www.war-memories.org)館主。

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