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苦境続き、HMV渋谷店閉店 存在意義探るCD店(1/2ページ)

2010年8月28日11時9分

写真:タワーレコードの店内に掲げられた、オーディションへの参加を呼びかけるポスター=東京都渋谷区拡大タワーレコードの店内に掲げられた、オーディションへの参加を呼びかけるポスター=東京都渋谷区

 CDショップHMV渋谷が閉店した。「CDが売れない時代」といわれて久しい。音楽が簡単にダウンロードできるようになり、ネット企業大手が運営するオンラインストアが台頭する中、レコード専門店業界の苦境が続く。アーティストの発掘、自主企画盤の制作など、音楽にこだわる専門店ならではの存在価値を模索している。

■店からスター誕生狙う

 タワーレコードは7月にアーティスト発掘プロジェクトを立ち上げた。9月15日までに届いた応募作品の中から10点前後をCD化し、1枚100円で販売する予定。各店舗の売れ行きをもとに、来春デビューするアーティストを選んで全店を挙げてプッシュする。狙うのは“レコード店発のスター誕生”だ。ディストリビューション&ライツ事業本部の村上誠本部長は「店舗はCDを売るだけの箱ではない。目利きのバイヤー、来店客の感性を反映し、店頭からの発信力で音楽シーンを盛り上げたい」と話す。

 日本レコード協会の調べでは、CD生産額は過去最高だった1998年の5879億円から減り続け、2009年は2459億円に縮小。一方で、ネット大手のアマゾン、楽天は豊富な在庫と安価な価格設定でシェアを拡大。CDを買わず、配信、レンタルを利用するスタイルが若者に浸透し、専門店の経営環境は厳しさを増す。HMVジャパンと新星堂は、大和証券系ファンドの傘下で経営再建中だ。HMVは店舗網の大幅縮小に乗り出し、新星堂は全正社員の約4割にあたる175人の希望退職を今春実施した。

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