コーラに対抗!? 「ガラナ」は、なぜ北海道だけで広まったのか?

2010年8月29日 北海道ウォーカー
「コアップ・ガラナ」(120円・230ml)。ボトルは京都の舞妓さんの立ち姿をイメージしてつくられたもの

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「コアップ・ガラナ」(120円・230ml)。ボトルは京都の舞妓さんの立ち姿をイメージしてつくられたもの

北海道のスーパーやコンビニで、当たり前に並んでいる清涼飲料水「ガラナ」。本州以南の人にとっては聞きなれないが、北海道では50年以上前からある人気ドリンクだ。面白いのは、北海道の“ご当地モノ”ではないのに、北海道“だけ”で広まったという点。一体「ガラナ」と北海道にはどんな関係があるのか? 気になる疑問を、北海道でガラナの製造をする飲料メーカーの小原さんにぶつけてみた。

■そもそも「ガラナ」とは?

「ガラナ飲料は、ブラジルアマゾン川のごく一部の流域でのみ採取される『ガラナ』という木の実から抽出したエキスに、糖分や炭酸を加えて作っているんです」と、小原さん。ガラナの実は、昔からブラジルの原住民が“不老不死”として扱っていた元気の源で、インディオたちが、祭典の際にこれを飲んで、3日3晩踊り続けたという話もあるのだとか。現在の調査でも、カフェインやカテキンが多く含まれていることが証明された、体にいい飲み物なのだそう。

■「ガラナ」はいつ誕生したのか?

ガラナ飲料の誕生は昭和33年。当時、その何年後かに日本に上陸すると言われていたコカ・コーラに対抗するため、全国清涼飲料協同組合連合会が開発した。「当時の日本の炭酸飲料といえば、ラムネやサイダーが一般的で、コカ・コーラが日本にやってきたら、商売にならないと危機感を感じていたようです。いろいろ調査していくと、『ガラナ』普及率の高いブラジルでは、コカ・コーラがあまり売れてないことが分かりました。このようなことから、コカ・コーラに対抗するため、ブラジル大使館の協力を得て、ガラナの実の輸入が始まったのです」(小原さん)

■なぜ「ガラナ」は北海道だけに普及したのか?

「コカ・コーラが日本に上陸し、やはり日本中にコーラ旋風が巻き起こりました。コーラが圧倒的なシェアを獲得するにつれ、ガラナ飲料の生産は低調になっていったのです。しかし、(本州から)北海道にコーラがやってくるまでに3年のブランクがありました。その3年の間に、ガラナ飲料は広く北海道民に定着したんです。内地のようにコカ・コーラ旋風を巻き起こすことはなく、今でも北海道で『ガラナ』が愛されているんですよ」(小原さん) 今では、透明なガラナの原液も開発され、その原液に天然香料で色を付けることで、いろんな色のガラナも生まれているという。

コカ・コーラに対抗するため誕生したガラナ飲料も今年で52年。今ではほとんど北海道でしか見ることができなくなったが、道内ではカロリーゼロのものなど新商品も続々と登場。北海道に行った時は、飲み比べして楽しんでみては? 【北海道ウォーカー】

今回お話を伺った人…果実酒の製造会社として昭和6年に設立した「株式会社 小原」の専務取締役・小原 聡さん。「小原」では、昭和35年からガラナ飲料を製造。ガラナを作り続けて今年でちょうど50周年を迎える。

「コアップ・ガラナ」(120円・230ml)。ボトルは京都の舞妓さんの立ち姿をイメージしてつくられたもの
【写真】こんなに種類豊富!“ガラナ飲料”ラインナップはこちら
「ポッカ350 ガラナスカッシュ」(120円・350ml)。刺激の強い味わい。ポッカの自動販売機で販売
「コアップガラナZERO」(147円・500ml)。キレのある飲み口なのにカロリーゼロ
「まりもっこりガラナ」(147円・500ml)。まりもの色にちなみ天然香料で緑色に
これが「ガラナの実」。昔からブラジルの原住民たちが“不老不死”として扱っていた“元気の源”

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