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【国際】

ナチス人体実験器具? アウシュビッツ周辺から150点

2010年8月29日 朝刊

 【ベルリン=弓削雅人】ナチス・ドイツによるユダヤ人らの大量虐殺の舞台となったポーランド南部アウシュビッツ強制収容所での人体実験に使われていたとみられる手術器具約百五十点が見つかった。収容所跡を管理する国立博物館が二十六日明らかにした。

 手術器具は、鉗子(かんし)やメスのほかに複雑な形状をしたものも多い。収容者を利用し不妊実験をしていたとされる医師カール・クラウベルク(一八九八〜一九五七年)が使ったものとみられる。

 同博物館のツィビンスキ館長は「これほど多数が長期間保存されていたことに驚いている」と表明。「人体実験という犯罪行為が行われていた証拠は少なく、残虐な行為を伝える貴重な展示物になる」としている。

 器具は収容所解放から近年まで六十年以上、外部からの立ち入りが一時禁止されていた収容所周辺地域を中心に複数の私人が保管していた。地元の収集家、歴史家らによって集められ、今回、博物館に寄贈された。

 クラウベルクは当時、異民族などの断種を目的にした不妊実験に収容者を利用していたとされる。

 終戦後、ソ連で収監された後にドイツへ帰還したが、戦犯裁判が始まる前に死亡した。

 

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