日韓併合100年:中曽根康弘元首相インタビュー(下)
韓日強制併合100年、あすを語る
-独島(日本名:竹島)問題は、どう解決するのが良いと考えるか。
「当分は触れないのが賢明だ。互いにそうした関係を維持することが望ましい」
-韓国の実効支配が続けば、韓国の領土という事実を認める結果になるのではないか、という反論が日本国内にはあるが。
「日本は、日本側の主権の下にあると繰り返し主張している。日本がそうした考えを持っているということを、相手(韓国)も理解し、相手側も自分の主権の下にあると考えているという点を、こちら(日本)も理解しなければならない」
-民主党政権になって、在日韓国人など永住外国人に地方参政権を付与しようという議論が進んでいることについて、どう考えるか。
「前向きに考えなければならないが、一定の制約と条件が必要だ。例えば、戦前から日本に住んでいる韓国人、中国人、ブラジル人など、長期間にわたって、少なくとも10年以上日本に居住している人については、付与しても良いと思う」
-今上天皇の韓国訪問についてはどう考えるか。
「今上天皇は皇太子のとき、訪韓の意思を持っていた。しかし皇太子妃の体調がすぐれなかったこともあり、実現しなかった。これは懸案としての取り扱いになるが、両国関係を見ると、極めて慎重に対応すべき課題だろう」
-北朝鮮に対してはどういう姿勢で対応していくのが良いと考えるか。
「哨戒艦『天安』沈没事件以降、米国と韓国が黄海と日本海で軍事訓練を行った。軍事訓練というのは、強い意志がなければできないことだ。北朝鮮のような国家の性格を考えると、ソフトな方法で対処していては成功しない」
-記憶に残る韓国の政治家、経済人は。
「金鍾泌(キム・ジョンピル)、全斗煥(チョン・ドゥファン)、朴泰俊(パク・テジュン)各氏などが記憶に残っている。金大中(キム・デジュン)氏や金泳三(キム・ヨンサム)氏も友人だったが、金鍾泌氏ほど深い関係ではなかった」
東京=辛貞録(シン・ジョンロク)特派員
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