日韓併合100年:中曽根康弘元首相インタビュー(上)
韓日強制併合100年、あすを語る
中曽根康弘元首相が避暑に訪れる別荘は、長野県・軽井沢にある。東京からは新幹線で1時間。ここには、金賢姫(キム・ヒョンヒ)元死刑囚が日本訪問時に滞在した、鳩山由紀夫前首相の別荘もある。今月23日、毎日新聞の取材チームと共に、中曽根元首相の別荘を訪れた。
1918年5月生まれの中曽根元首相は、今年で92歳だが、比較的健康そうに見えた。インタビューのとき、補聴器を付けて聞く程度だった。中曽根元首相は、およそ1時間にわたって行われた本紙と毎日新聞の合同インタビューで、過去よりも未来に目を向けることを繰り返し注文した。在日韓国人への地方参政権付与についても、「条件付きで賛成の立場」を表明した。
-菅直人首相の談話をどのように評価するか。
「適切な時期に出た、適切な内容の談話だったと思う。日韓併合100年という時期に合わせ、反省と遺憾の意を率直に述べ、これからの100年に向け友好・協力を深化させていこうという思いを表明したものだ」
-談話が出る前、菅首相から連絡はあったか。
「“どうすればいいか”との相談はあった。“君が考えていることに従って、謙虚な反省の意を表すると同時に、将来の100年に向け提携を強化していこうという内容であれば良いのではないか”とアドバイスした」
-これからの両国関係をどう見るか。
「世界的な潮流は、欧州連合(EU)、北米自由貿易地帯(NAFTA)など、国家連合関係が強化される方向へと進んでいる。日韓、日中韓が東アジアの中心にならなければならない、という意識を持ち、アジア連邦またはアジア国家機構を目標にするのが望ましい」
-韓日関係においては、大衆芸術やスポーツ、人と人の交流は活発になっている一方で、政治は最も立ち遅れている、という指摘がある。
「昔の政治家には、主義・主張があった。その時代には、双方が国家を背負っていた。しかし今の政治家は、個人レベルでの外交にとどめる、という考えが強い」
-日本の政治家は、過去の歴史問題にどう取り組んでいくのが良いと考えているのか。
「過去の過ちに対する日本の反省を常に念頭に置いて、外交関係を構築していかなければならない。日本の首相に謙虚さがなければ、外交は前に進まない。首相というのは、日本の過去を背負っているポストだ」
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