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【サッカー】原監督代行「日本の良さ生かす」2010年8月28日 紙面から
日本サッカー協会の原博実強化担当技術委員長(51)は27日、自ら監督代行として指揮を執る国際親善試合のパラグアイ戦(9月4日、日産ス)とグアテマラ戦(同7日、長居)の日本代表を発表した。W杯メンバーから7人を入れ替え、MF香川真司(ドルトムント)、乾貴士(C大阪)ら好調の中盤勢を大量招集。得点力の乏しかったW杯の反省から、「日本の良さをさらに生かすために攻撃的な選手を入れた」と説明。今後の日本サッカーの進路を定める「技術委員長」としての立場も含め、代行2試合で日本が進むべき道筋をピッチ上で示す。 メンバー発表会見前に、Jクラブの強化担当者を集めた会議では「監督決定が遅れて申し訳ない」と平謝りした原技術委員長だが、ひな壇で「監督代行」になった途端に目を輝かせた。 「3日前からパラグアイ戦のビデオを見てます。半分がW杯メンバー。あのFWバリオスもいる。ゴール前にクルッと入られて川島がファインセーブした場面、覚えてます? パラグアイは強敵です。しっかり準備しないと」。2カ月前、W杯決勝トーナメント1回戦で0−0の末に岡田ジャパンがPK負けしたパラグアイ戦を熱く“解説”。その瞬間、会見場の一部の報道陣から失笑が漏れたが、それでも立場は「代行」とはいえ「監督」だ。 同時に「技術委員長」として、世界の8強にどうすれば勝てるのかを探っている。守備陣こそ「9月2日集合で擦り合わせする時間がないからある程度は慣れているメンバー」となじみの顔触れにしたが、逆に規律のとれた組織的な「守備ブロック」をベースに堅守と言われた「日本の強み」を生かす意識の現れでもある。それ以上に今後の方向性として示したいのは、運動量豊富な若手有望株のMF香川や乾、Jリーグ6戦連発中の元日本代表MF橋本を手元に呼び寄せたことだ。 中盤からの飛び出しによる得点力。未決定の新監督が近日中に来日できれば観戦してもらうだけに「これぞ日本」という戦いを示す覚悟だ。このメンバー選考や戦い方の熟考以上に、「今回、本当にやりたかったことは新しい監督を決めたかったこと」と苦笑いもみせたが、とにかくやるしかない。 (上條憲也)
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