画像1:参院改選議員「国会発言字数」ランキング。左側がベスト10、右側がワースト10。
|
参院選が迫る中、改選議員93人の6年間の国会での発言量を集計したところ、上位は社民・福島瑞穂氏、共産・小池晃氏など少数政党が独占。民主では櫻井充氏、藤末建三氏ら常連がベスト5に入った。ワーストは民主・金子洋一氏、自民・山崎正昭氏ら。タレント議員4名のなかでは、トップの蓮舫氏以外は発言字数が平均以下にとどまり、ワースト1の自民・神取忍氏(プロレスラー)をはじめ資質に疑問符がつく結果となった。議員の働きを評価する指標として、国会での発言量は監視すべき情報。参院改選組93議員ランキングは記事下からダウンロードできるので、投票の参考にしてほしい。
【Digest】
◇一人当たり発言量は社民、共産がダントツ
◇社民、共産は「母子加算削減の復活」など推進
◇民主は医師、経産省OB、トヨタ労組が上位
◇発言字数ワースト1は民主・金子洋一氏
◇自民ワーストは〝政権末期〟から鈍い動き
◇民主、国民新党のサボり過ぎな議員たち
◇発言回数ワースト2位は建設族議員
◇タレント議員ベスト蓮舫、ワースト神取忍
◇調査方法詳細
◇一人当たり発言量は社民、共産がダントツ 国会発言量ランキングは、今年7月の参院選で不出馬を表明した27人を除いた改選議員全93人が対象。集計方法は、2004年の参院選当選から、今年6月の任期満了までの6年間に、国会に登場した回数と、そこで発言した文字数を、国会の国会会議録検索システムで調べた。詳しくは記事下の「◇調査方法詳細」の通り。
なお、各議員の発言字数は、大臣、副大臣、大臣政務官として答弁した発言も含む。その分を除いて集計すると、政府要職につくほどランキングが下がり、議員活動をしていないように映ってしまうためだ。
こうして調べた結果、対象議員全体の「国会登場回数」は7,801回、「国会発言字数」は31,652,004字に上った。
任期中の「議員一人当たり平均」の登場回数は84回、発言字数は30万4344字。
政党別の改選議員数、国会登場回数、国会発言字数は以下の通り。
政党 | 議員数 | 登場回数 | 発言字数 |
民主 | 48人 | 3,736回 | 17,324,542字 |
自民 | 27人 | 1,681回 | 5,540,783字 |
共産 | 4人 | 706回 | 3,135,084字 |
公明 | 6人 | 639回 | 2,256,628字 |
社民 | 2人 | 564回 | 2,008,271字 |
新党改革 | 2人 | 166回 | 661,347字 |
国民新 | 2人 | 107回 | 421,439字 |
たちあが | 1人 | 80回 | 135,518字 |
このように政党別発言量は、一、二番が議員数の多い順に民主、自民となるが、その後は、少数政党の野党・共産が、自公政権で与党だった公明に割って入り、すぐそのあとに社民もつけているのが特徴だ。議席数の比率でみると、公明9%に比べて、共産党は3%、社民党は2%と野党の方が少ない。だが、発言量は、公明7%に対し、共産党10%、社民党は6%と、少数野党は大幅アップしている。
この傾向は、画像2の「政党別〝一人当たり国会発言字数〟」でみると、なおさら際立つ。一人当たり社民党100万4136字、共産党78万3771字に対し、民主党は36万928字、公明党37万6105字、自民党は20万5214字と、少数政党の野党の発言量が突出しているのだ。
国会での発言は議席数に応じているのではないのか? その点を参院広報課に聞いたところ、こう説明する。「国会での発言量は、原則的には議席数に応じますが、各委員会の理事会の決定により、少数政党の発言時間が多めに割り当てられるケースがあります」。
参院の国会運営は、少数野党の発言の機会に配慮するのが慣習になっている。与党が提出した法案を野党議員の質問によって審議するのが国会の場であり、かつ、少数政党に配慮されるため、与党(過去6年では自民党)は、このランキングでは不利で、少数政党の社民・共産は有利になる。与党議員の活躍は党内議論への参加度合いで分かるが、自民党は部会を原則非開示にしており記録もないため、誰が発言しているのかは分からない。
そういった事情はあることを前提に、議員別ランキングを上から順にみていこう。
|
画像2:参院政党別1人当たり発言字数ランキング。上位は社民、共産、新党改革。ワーストはたちあがれ日本 |
|
◇社民、共産は「母子加算削減の復活」など推進 画像1のように、議員別「国会発言字数」ランキングの、第1位は、社民党の福島瑞穂代表(比例)。登場回数は308回、発言字数は116万9829字。
福島氏の所属は、主に厚生労働委員会。これまで生活保護の母子加算の削減の復活を求める法案や肝炎救済法の成立を推進、労働者派遣法の改正案の早期成立を目指す、などの発言をしている。内容はともかく、国会で働いているのは確かだ。
第2位は共産党の小池晃氏(東京)。登場回数は190回、発言字数は100万9507字。小池氏も、福島氏同様、厚生労働委員会が主な国会の活動場所。質問の内容は、例えば、保育所の待機児童解消のため、国有地の賃貸料を軽減して、有効利用するよう提案、母子加算の復活法案の推進、といった発言をしている。
第3位は、共産党の大門実紀史氏(比例)。登場回数は235回。発言字数は99万8606字。
大門氏は主に財務金融委員会で活動。例えば、07年6月15日に、スーパーゼネコン大林組がすすめている、群馬県宇都宮市中心街の再開発事業(24階建ての超高層マンション計画)について「景観、歴史の保全からいって大問題。市民の反対運動が起きている」と問題点を指摘し、事業総額130億円の半分超に税金投入が予定されていることに触れ、再検証を求める、といった追及などをしている。
第6位の、社民党・近藤正道氏(新潟)は、登場回数257回、発言字数は83万8442字。活動内容は、母子加算の復活法案の推進など.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
|
画像3:参院改選議員「国会登場回数」ランキング。上位は共産、社民が独占。ワースト4位は輿石東・民主党参議院議員会長 |
|
|
画像4:参院タレント改選議員「国会発言字数」ランキング。1位は蓮舫、ワーストはプロス神取忍氏 |
|