○月×日
自己管理の一環として日記を付けることにしました。
これから色々大変だし、やらないといけないこともいっぱいあるけど千里の道も一歩から、というわけで日記を付けることから始めます。
えーと、とりあえず基礎体力付けないといけないからランニングに行ってきます。
まだ子供だし、体もできていないから5kmくらい。
今年中には10km以上走れるようになりたいかな、と思ってます。
○月×日
今日は5kmほど走りました。
後は魔力弾の誘導制御を。
デバイスなしだけど技術系は以前とあまり変わらず問題ないかな、と思いました。
○月×日
最近母親と父親の視線が少しだけ痛い気がする。
ナオトは本ばっか読んでいたのに、でもこの運動量はちょっとおかしくないか、とか何とか。
……ナオトって誰のことなんだろう、今度聞いてみよう。
○月×日
ナオトって人は今の私の兄、らしい。
らしいって言うのはずっと昔に亡くなったから。
昔の私にもお兄ちゃんがいたから、その兄がいなかったかと思うとちょっと寂しいと感じました。
元気にしてるかな、お兄ちゃん。
○月×日
今日も元気にくんれ、じゃなくて自主トレ。
魔力が大きく下がっちゃって砲撃とかが特に威力を落としちゃってる。
射撃型に転向……ううんいっそのことバランスよく鍛えることにしよう。
自分の訓練メニューを考えるのも結構楽しい。
私ってやっぱり教官向きなのかな、って思った。
あっ、訓練言っちゃった。
○月×日
両親に怒られました。
何でも毎日のトレーニングが気になったとか。
もっと甘えてほしいって抱き締められながら言われた。
「あ、あのね、甘えるってどうすればいいの?」
恥ずかしながらいい子でいようとし続けた結果、子供らしい甘え方が全然分かりません。
「欲しい物を欲しい、って言えばいいの」
そっか、それでいいんだ。
じゃあ、私は。
「デバイスが欲しい!」
えっ、あ、あれ何でそんな微妙そうな顔されるの?
○月×日
両親が微妙そうな顔だったけどデバイスをプレゼントされました。
銀色に輝く珠型のデバイス。
私は前々から名前を決めていた。
闇を払う輝ける星。
地に堕ちず、空で輝き誰かの道を照らす星!
「シャイニングスター、セットアップ!!」
『Yes!!』
白を基調とした新しいバリアジャケット。
アグレッサーモードを基本としたバランスを意識した感じだけど、いい感じ。
でも戦闘になったら耐えられないかも、そこは研究かなぁ。
○月×日
レイジングハートよりすごーい!
○月×日
昨日の日記を見直して思わず手元にないはずのレイジングハートに言い訳をしてしまった。
『What is Raising Heart?』
こ、こっちの話!!
○月×日
今日はお母さんと一緒に出掛けました。
女の子らしくしてほしいのか、色々服を買うことに。
で、でもこういったピンクのは無理だからね!
○月×日
ふと日記を読み返す。
今の私は誰?
タカサキ家の娘?
それとも、わたしはやっぱり……
『You are you.』
シャイニングスター?
……そうだよね、私は私だよね。
ありがとう、シャイニングスター。
○月×日
今日も自主トレ。
目標である10kmに到達しました。
でも、これはまだ始まり。
私は強くなります。
そして、今度こそ私は変えてみせる。
○月×日
夢を見ました。
ゆりかごに眠る幼い少女。
私は彼女の冷たい体を抱き締めていた。
辛い現実。
決して消えない傷。
運命は、絶対に変えるんだから!
***
後書きは、日記に引き続き、私が進行します。
このお話は妄想が具現化した結果とか。
な、何それ?