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ボディーしぼんで衝撃吸収、「空気」自動車開発 広島

2010年8月28日22時58分

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【動画】エアバック電気自動車が完成

写真:エアバッグのような布で覆われた電気自動車。人に当たってもけがをさせにくくしている=28日午後、広島市南区、高橋正徳撮影エアバッグのような布で覆われた電気自動車。人に当たってもけがをさせにくくしている=28日午後、広島市南区、高橋正徳撮影

 空気を入れた袋をボディーにした電気自動車(EV)を、広島県の中小製造業者らが開発し、28日、関係者に試作品を公開した。衝突時に空気が抜けて衝撃を和らげるのが特徴という。広島運輸支局の指導を受けながら公道を走る準備を進めており、年内に3輪タイプ50台を試験販売。来年にも4輪タイプを150万円ほどで発売する計画だ。

 名前は「iSAVE(アイセーブ)」。広島大大学院の升島努教授(分析化学)のアイデアをもとに、主に県内の二十数社でつくる研究会が2年前から構想。全国中小企業団体中央会の補助金900万円を活用し、マツダの技術者らの助けも借りて3輪タイプの試作品をつくった。

 試作品は、鉄製パイプで組み立てた車台の前後に、空気を入れた塩化ビニール製バッグをすえ、テント生地で覆う構造。家庭で充電でき、升島教授によると、試作品は時速20キロでの衝撃を吸収するといい、発売品は60キロにする。重さ約350キロと軽自動車の半分以下で軽いため、「今後、横風に配慮した設計をする必要がある」という。

 来年の発売時には車台の左右にもバッグを設置し、時速は約70キロまで出るようにする。買い物や送り迎えなど、走行距離が1日30キロ以下の使用を想定する。升島教授は「人間の肌など、生物の表面は軟らかいことから発想した。従来の車より歩行者を傷つけにくい」と話している。(中川壮)

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