京都市地下鉄　転落防止柵ない烏丸線、事故多発

ホームドアがある京都市営地下鉄東西線。１９９７年の開業以来、転落事故はないという（２８日午前１０時４０分、京都市中京区・烏丸御池駅）

　全国の鉄道の駅ホームに設置された転落防止の「可動式ホーム柵」と「ホームドア」が、大都市圏を中心に今年３月末現在で、全国２８の鉄道事業者によって３８路線の４４９駅で設置されていることが２８日、国土交通省のまとめで分かった。昨年３月末からの１年間で１７駅増加した。

　京都市営地下鉄では、東西線（太秦天神川－六地蔵）の全駅にホームドアが設置されており、１９９７年の開業以来、転落事故は発生していない。

　一方、烏丸線（国際会館－竹田）には転落防止柵がなく、事故が相次いでいる。先月には五条駅で人の乗っていないベビーカーが転落する事故もあった。

　車いすの利用者や介助者でつくる市民グループは烏丸線に防止柵を設けるよう市交通局に求めているほか、市議会でもたびたび議論となっている。

　だが市交通局によると、烏丸線に可動式の転落防止柵を設置するには１３２億円の費用がかかり、国の補助金も１割に満たないという。同局幹部は「設置したいのはやまやまだが、経営は苦しく、財政的余裕がない」としている。

【 2010年08月28日 13時17分 】