朝鮮学校に無償化適用へ　文科省「高校課程類する」

　文部科学省は２７日、高校無償化法に基づく就学支援金を、朝鮮学校に通う生徒に支給する方針を固めた。適用の可否を審査してきた同省の専門家会議が「日本の高校の教育課程に類する」との報告をまとめたことを踏まえ、適用条件を満たすと判断した。

　同省の政務三役は民主党政策調査会に諮った後に正式決定を目指す。ただ、党内には拉致問題などを背景に支給への慎重論も根強い。同省は申請や報告に虚偽があれば適用を取り消す規定を設ける考えだが、決定まで曲折も予想されそうだ。

　文科省によると、日本の高校生年代の生徒が通う朝鮮学校の高級学校は全国で１０校あり、在籍者は計約１８００人。決定すれば、世帯年収に応じて年額約１２万～２４万円を今秋以降に支給。生徒は今年４月にさかのぼって受け取れる。

　同省は一方で、教職員の編成、貸借対照表など約１０項目を記す書類を３年ごとに提出するよう求める方針。支援金は生徒に代わり学校が受け取る仕組みだが、適切に使われているかどうかを検証するため、財務諸表は毎年確認を受けるよう義務付ける。不正や虚偽が発覚した学校は、無償化の適用を取り消すこともあるとしている。