データファイル ■日本での世論調査
■ソウルでの世論調査

ソウルでの世論調査

● 日本への好感度

静岡県立大学などの研究グループが、2004年9月、韓国のソウルで実施した世論調査*では、「次の国に対して、どのくらい好感が持てますか」との問いで、日本について「非常に好感が持てる」と回答した人の割合が10.0%、「概して好感が持てる」と回答した割合は43.6%でした。この2つの回答を合わせると、好感が持てると考える人は53.6%となり、好感が持てない(「まったく好感が持てない」と「それほど好感が持てない」の合計)の46.3%を上回りました。

*18-60歳のソウル市民が対象。国際交流基金のプログラムの一環として行われ、静岡県立大学 小針進氏、渡邉聡氏、筑波大学 石井健一氏が実施。韓国の世論調査機関による電話面接調査。有効回収数803人。
出典:小此木政夫編 『韓国における市民意識の動態』 慶応義塾大学出版会 第3章 韓国人の対外意識

 

この回答結果を男女別にみると、日本に対し「概して好感が持てる」と答えた割合は女性で高く47.4%、男性では39.7%です。

日本への高感度 男女別

 

さらに、回答を年齢別にみると、18-19歳および20代で日本への好感度が高くなっています。好感が持てると回答した割合は18-19歳で71.2%、20代で63.0%です。一方、好感が持てるとの回答率がもっとも低く、好感が持てないとの回答率がもっとも高かったのが30代でした。現在の韓国の30代後半から40代前半の世代は「386世代」*と呼ばれ、「軍事政権下の1980年代に激しい学生運動を経験している者が多いため、理念的には進歩的・・・(中略)・・・過去の植民地支配をめぐる日本に対しても厳しい」(1)との見方もあります。

* 「(2000年ごろ)30歳代で80年代に学生時代を送った60年代生まれ」の世代を指す
(1) 小此木政夫編 『韓国における市民意識の動態』 慶応義塾大学出版会 第3章 韓国人の対外意識 50ページより

日本への高感度 年齢別

 

● 各国への好感度

上述の世論調査では、ソウル市民に対し日本だけでなく、アメリカ、中国、ロシア、北朝鮮、ドイツ、タイについても好感度を尋ねています。この中でもっとも好感度の高い国は中国で、「非常に好感が持てる」と「概して好感が持てる」を合わせた回答者の割合は68.8%に上りました。北朝鮮への好感度も高く、23.2%が「非常に好感が持てる」と答えています。

韓国に対する親近感 年齢別

 

● 日本と韓国との関係 内閣府 『外交に関する世論調査』より

内閣府の『外交に関する世論調査』には、「あなたは、現在の日本と韓国との関係は全体として良好だと思いますか、それともそうは思いませんか」との設問もあります。最新の2004年10月調査では、良好だと思う(「良好だと思う」と「まあ良好だと思う」の合計)との回答が55.5%となっており、良好だと思わない(「良好だと思わない」と「あまり良好だと思わない」の合計)の34.9%を引き離しています。

現在の日本と韓国の関係 経年変化

 

2004年10月調査の内訳は、良好だと思う(計)55.5%のうち、「良好だと思う」が9.0%、「まあ良好だと思う」が46.5%です。一方、良好だと思わない(計)34.9%のうち、「良好だと思わない」は10.0%、「あまり良好だと思わない」は24.9%となっています。

現在の日本と韓国との関係