● 隣人と仲良くするのは難しい
韓国では日本のことを「近くて遠い国」と言います。 地理的には近いけど、心理的には何か親しみにくい国だという意味です。韓国人の日本への感情をうまく表現している言葉だと思います。
でも、隣の国と仲良くするのは当たり前のことでしょうか。私は反対だと思います。隣の国だからこそ、逆に親近感を持つのは難しいと思います。その理由は二つあります。
● 隣の国だから迷惑をかけやすい
私はマンションに住んでいますが、真上の部屋の住人が一番やっかいで、迷惑です。国の関係も似ているのではないでしょうか。隣の国だから、侵略したり、戦争したりするのです。それが深い傷を残すので、隣の国に親近感を持つのがもっとも難しいのです。
実際、日本は過去2度にわたって韓国を侵略しました。とくに100年前に韓国を強制的に併合したことは、まだ韓国人に深い傷として残っています。これまで、韓国は日本に謝罪を要求し、日本も何度か謝罪しています。しかし、今も大半の韓国人は日本の謝罪を物足りなく感じています。その一方で「しつこい。何度謝れば気がすむんだ」と思う日本人もたくさんいます。
私は、過去について謝罪する事は、過去の問題ではなく未来の問題だと思っています。謝罪を求めるのは未来に2度と同じことをしないという約束だからです。しかし、今の日本の態度には不安を感じるところがたくさんあります。日本が隣の国でなかったら、こんな不安を感じる必要はないでしょう。隣の国だからまた戦争に巻き込まれるのではないかと心配するわけです。未来に2度と不幸な事が起きないことを相手に確信させることが必要ですが、日本はこの問題に関して努力と誠意が足りないため信頼を得るには至っていないと思います。
● 似ているようで似ていない だから誤解が生まれる
韓国人にとって、ラ‐メンのス‐プにご飯を入れて食べるのは当たり前のことです。
しかし、これに違和感がある日本人が結構います。
このように韓国と日本は生活習慣が結構似ていますが、細部に入ると違うところがたくさんあります。そのため、お互いに「訳が分からない」「変な人」という誤解と偏見を引き起こすことになりやすいのです。
そこで大切になるのが大衆文化です。例えば、韓国人は寿司を手でつまんで食べることに違和感がありますが、日本の漫画を読んでいれば自然なことと受け止められます。
このように、お互いの大衆文化を楽しむと些細なことへの誤解がなくなると思います。大衆文化はその国の生活や人の価値観を見せてくれるからです。韓国の若者は日本の漫画やアニメ、ゲ‐ムを楽しみながら育った世代なので、日本人に関する偏見が前の世代ほどありません。これが文化の力だと思います。
今まで,大衆文化については韓国側が日本の文化を一方的に受け入れていました。しかし、最近日本では韓国ドラマが旋風を起こしています。このことは日本人が韓国人の考えや生活習慣など、韓国文化に対する理解を深めることにつながります。
「近くて遠い国」が「近くて近い国」になるためには様々な課題がありますが、まず、お互いの文化を楽しむことがもっとも簡単で楽しい方法だと思います。ですから、日本での韓流ブ‐ムはすごく大切な現象だと思います。
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