世の中に、科学的に立証されていない「効果・効能」は少なくありません。例えば、放射性ガス「ラドン」を含む温泉の効果・効能。微量な放射線はむしろ体によかったりする「放射線ホルミシス効果」がいわれますが、真偽のほどはわかりません。
古くから伝わる民間療法や伝統薬の中には、西洋医学でいう「エビデンス」がないものがあります。効いたと感じるので長年の愛用者もいるのでしょうが、薬には、医師などが小麦粉を与えても心理的な効果からプラスに働く「プラセボ効果」があります。西洋医学では、そうした効果を差し引くために、二重盲検法という方法で検証されます。
代替療法と称して一般には有害と思われる物質を水で薄めて含ませた砂糖玉を与えて病気をなおすとされる「ホメオパシー」も欧州発ではありますが東洋的な民間療法で、効果は立証されていません。そのホメオパシーに対して、日本の自然科学・人文社会科学の学者の代表で構成される日本学術会議は24日、会長談話として、「荒唐無稽」と否定しました。
金沢一郎会長が医者でもあり、助産師がホメオパシーに傾倒して患者を死なせた疑いがあるという条件が重なり、黙っていられなかったという気持ちは分かります。ただ、根性だったり、離れていても気持ちが通じ合ったり、音楽に励まされたりと、人間という生き物は科学だけでは説明できない何かを感じているのも確かです。
各宗教の教義について科学的に?と思っても、たぶん発言は控えると思います。日本の科学者はそうしたものには見ないふりをしてきて、今のようにところどころに東洋が残った日本を維持してきたのだと思います。今回のできごとは、科学が、これまで目をつぶってきた部分にまで口を出すきっかけになるかもしれないと感じるのは私だけでしょうか。
by lhowon
科学者が迷信?に介入 日本の…