【動画】公開された刑場=代表撮影
報道機関に公開された東京拘置所の「刑場」の「前室」から見た「執行室」。その奥は「立会室」=27日午前、東京都葛飾区、代表撮影
報道機関に公開された東京拘置所の「刑場」の「執行室」=27日午前、東京都葛飾区、代表撮影
報道機関に公開された東京拘置所の「刑場」の「執行室」の天井部にあるロープを掛ける滑車=27日午前、東京都葛飾区、代表撮影
報道機関に公開された東京拘置所の刑場の「教誨(きょうかい)室」=27日午前、東京都葛飾区、代表撮影
目隠しをされた死刑囚が、ロープを首にかけたまま立たされる踏み板は公開したものの、開閉する様子は見せなかった。「開閉時に非常に大きな音がするため、(接見に訪れた人など)いろいろな人が拘置所を出入りする時間帯に、そのような音を流したくないと考えた」と法務省は理由を説明した。
千葉法相が7月28日に2人の執行を見届けた「立会室」から、踏み板までの距離は、ガラス越しで約8メートル。その間には、大きな吹き抜けの空間がある。見下ろすと、死刑囚がつるされて絶命するコンクリート打ちっ放しの空間が見えた。立会室には階段があり、下りることができるようになっていた。この「階下の部分」も今回、立ち入りを厳重に禁じられた。「大臣も立ち入っておらず、大臣の目線をもとに公開することで十分だ」というのが法務省の見解だ。「遺体があったところに土足で踏み込まれるのは困る」という刑務官らの「感情」にも配慮したという。
東京拘置所には、1995年の地下鉄サリン事件などを起こしたオウム真理教元代表の松本智津夫死刑囚や、71〜72年に連合赤軍事件を起こした永田洋子死刑囚など56人の死刑囚が拘置されている。死刑囚が暮らす「房」と刑場との位置関係も公開されなかった。
刑場の公開は約20分間。「刑場は死者の魂がいる厳粛な場所」。法務省の職員は事前にそう説明し、刑場内での質問は一切受け付けなかった。(河原田慎一)