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死刑の刑場、報道機関に初めて公開

8月27日11時57分配信 読売新聞

死刑の刑場、報道機関に初めて公開
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報道機関に初めて公開された東京拘置所の「刑場」の「執行室」=代表撮影
 法務省は27日午前、死刑執行が行われる刑場を報道機関に初めて公開した。公開したのは、全国に7か所ある刑場のうち、東京拘置所(東京都葛飾区小菅)内の刑場。千葉法相が「死刑のあり方に関して国民的な議論を巻き起こしたい」として公開を指示していた。

 公開された刑場は、階上と階下の2階に分かれている。死刑囚は階上の床にはめ込まれた踏み板の上で首にロープをかけられ、踏み板が開くと、階下に落下する仕組みだ。

 報道陣はまず、独房から連れてこられた死刑囚が最初に入る「教誨(きょうかい)室」(図の1)に案内された。ここでは、拘置所幹部が遺言を聞いたりするほか、僧侶や牧師らの教誨師と話ができる。

 廊下を進んだ先の扉を開けると、拘置所長が死刑の執行を宣言する「前室」(2)だ。扉の正面にある黄金の仏像がすぐ目に飛び込んでくる。壁は木製で、薄茶色。8本の蛍光灯が明るい。

 前室に入って右手は、鮮やかな青いカーテンで区切られただけの「執行室」(3)につながっている。目の前に、赤いテープで縁取られた1・1メートル四方の踏み板があった。死刑囚は目隠しと手錠をされた後、踏み板の上に連れてこられ、首にロープをかけられる。この日はロープは下がっていなかったが、3・8メートル上には、ロープをかけるための滑車が天井にある。ロープを通すための銀色の輪が床に二つ、壁に二つ。

 執行室の壁や床も前室と同じで、踏み板の上にも淡い藤色のじゅうたんが敷かれている。

 「執行室」と隣接する「ボタン室」(4)の壁には、踏み板を開閉するためのボタン三つが横一列に並んでいた。3人の刑務官が一斉に押し、どのボタンで作動したか分からないようにするためだ。ボタンを押す刑務官からは、死刑囚の様子はうかがえない構造になっている。

 執行室のカーテンと反対側の壁はガラスになっていて、その先の「立会室」(5)から検察官らが執行を見届ける。死刑囚がつり下げられる階下の床はコンクリートの打ちっ放し。踏み板の真下の床には排水溝も見えた。木製の壁とじゅうたんが敷かれた階上と違い、暗く、深く見える。

 最高裁は「死刑は残虐な刑ではない」と判断している。踏み板のある床1枚を隔てた階下に、重い罪を犯した死刑囚の行き着く果てがあることを実感した。(社会部 松本英一郎)

最終更新:8月27日14時35分

読売新聞

 

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