列車に乗って犯行を警戒した際に支払われる手当が支給されなかったとして、元愛媛県警巡査部長で、今は鹿児島県阿久根市の副市長を務める仙波敏郎氏が愛媛県に1万3600円の支払いなどを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)は12日までに仙波氏の上告を受理しない決定をした。請求を棄却した一、二審判決が確定した。決定は10日付。
仙波氏側は「愛媛県警鉄道警察隊に勤務していた1999年10月~2001年1月に8回、県外で列車に乗り警戒した」と、行動を記録した手帳を基に主張したが、昨年3月の一審松山地裁判決は「裏付ける証拠がなく、直ちに信用できない」と判断。今年4月の高松高裁判決も支持した。
仙波氏は鉄道警察隊の巡査部長だった05年に愛媛県警の裏金づくりを内部告発し、昨年退職。今年7月、阿久根市の副市長に選任された。