鹿児島県阿久根市議会の産業厚生委員会(木下孝行委員長)は19日、竹原信一市長が民間保育園の移転新築に伴う補助金申請書類の決裁を拒んでいる問題を審議するため、竹原市長や担当課職員に出席を求めたが、市長は拒否、職員も市長の命令で欠席した。「議会は無駄」と公言する竹原市長は3月議会の途中から議会への出席をボイコットし、職員にも出席拒否を命じており、今回もそれにならった形だ。
仙波敏郎副市長によると、竹原市長は25日から4カ月ぶりの市議会開会となる臨時議会には出席する方針だが、今回の欠席については「市長の『議会は儀式で要らない』という方針が続いたということ」と説明した。
産業厚生委は7月27日の前回会合で、問題の事実関係について説明を求める方針を決定。保育園を経営する市内の社会福祉法人「青陵会」(折橋〓典理事長)側と市長、担当課職員に出席を要請していた。
今回、法人側は折橋理事長たちが出席し、市が本年度予算に移転新築の補助金約1億円(県が7千万円、市3千万円)を計上しながら、竹原市長が「理事長は市政を妨害する」として県への申請書類を決裁せず、事業が進められない状況を説明。折橋理事長は「補助金を必要としているのは子どもたちだと理解してほしい」と訴えた。
これに対し、市側は産業厚生委には出席しなかったが、仙波副市長は「補助金の使い方が不透明で、法人側に説明を求めるために面会を申し込んだが断られた。納得できなければ決裁できない」と話している。
25日から2日間の予定の臨時議会は、仙波副市長の進言で竹原市長が招集したが、審議が円滑に進むかは見通しが不透明な状況。仙波副市長は「臨時議会後は委員会にも出席する」としている。
※文中の〓は口へんに喜
=2010/08/20付 西日本新聞朝刊=