鹿児島県が、同県阿久根市の竹原信一市長が議会の同意を得ず専決処分で選任した仙波敏郎副市長について「地方自治法上、副市長とは認められず一般職員として対応する」との方針を非公式に内部決定していたことが20日分かった。県幹部が明らかにした。この決定は今月2日の仙波副市長の着任後まもなく、出先機関も含めた大半の県職員に口頭で伝えられた。
県幹部によると、竹原市長が伊藤祐一郎知事の2度にわたる是正勧告に従わないで議会を故意に招集せず、専決処分で仙波副市長を選任した行為を、県は「地方自治法違反」とみなし、副市長の地位の法的効力に重大な疑義があると判断した。
県職員に伝えられた指示は「課長補佐以上は名刺を渡さない」「(議会の同意を必要としない)一般職員として対応する」「電話がかかっても上司につながない」といった内容だったという。
伊藤知事は20日の記者会見で「明らかに違法性が生じた中の専決処分。副市長に法的効力があるのか極めて怪しい。(竹原市長が)市職員として選任したのなら有効だ」と述べた。
=2010/08/21付 西日本新聞朝刊=