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「北朝鮮に侮辱された」 カーター氏訪問中の金総書記訪中、米国内で波紋 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:◇世界万華鏡
【ワシントン=佐々木類】カーター元米大統領の北朝鮮滞在中に、金正日総書記が中国を訪問したことに米国内で波紋が広がっている。「人道上の私的な訪問」(トナー国務省副報道官代行)とはいえ、米側は金総書記との会談を想定して元大統領に白羽の矢を立てた経緯があり、会談が確認されていない現時点では、「北朝鮮に侮辱された」(米メディア)ともいえるからだ。カーター氏は滞在を1日延長して金総書記との会談を探っているとみられるが、成り行きは不透明だ。
国務省のクローリー報道官は26日の記者会見で、カーター氏が北朝鮮滞在中に金総書記が訪中したことについて、「金正日の旅行については私の知るところではない。北朝鮮政府に聞いてほしい」と述べた。
また、カーター氏が26日時点で平壌に滞在中であることを認めたが、それ以上はコメントを避けた。カーター氏と北朝鮮当局に身柄拘束された米国人ゴメス氏が平壌に滞在中で、北朝鮮を刺激して問題を複雑化させたくないとの思いをにじませたものとみられる。
オバマ政権は、カーター氏という元大統領を派遣することで、金総書記の後継問題や、朝鮮半島の緊張緩和に向けた打開の糸口を直接探る狙いがあった。捕らわれの米国人を解放するという米中間選挙を前にした外交上のパフォーマンスとの見方もくすぶっている。