レスリングで五輪挑戦を表明した04年アテネ五輪柔道男子90キロ級銀メダリストで、総合格闘家の泉浩(上)が全日本合宿に参加。上から攻撃を仕掛ける=都内
日本レスリング協会は25日、世界選手権(9月6日開幕・モスクワ)に出場する男子の日本代表の合宿を公開した。レスリングでのロンドン五輪挑戦を表明した04年アテネ五輪柔道男子90キロ級銀メダリストで、総合格闘家の泉浩(28)=プレシオス=も合流し、初参加となる日本トップクラスの合宿で精力的に汗を流した。今後は総合格闘技と並行してレスリングも練習し、早ければ来年7月の全日本社会人選手権でデビューする。
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新天地での活躍を、脳裏に描いていた。「挑戦できることはしたい。挑戦する自分に意味がある」。全日本合宿でみっちり汗を流した泉が目を輝かせた。
本気度は行動の速さからうかがえた。7月中旬にレスリングでのロンドン五輪挑戦を表明。8月上旬の大学、警視庁合同合宿に参加するなど、練習を重ねてきた。
全日本クラスの合宿参加は今回が初。「裸で柔道をやっている感じ。柔道では小さい分(相手に)大きく見せていたけど、逆ですよね」。戸惑いを感じつつも「だんだん勝手が分かってきた」と手応えを口にした。
「元気出せよ!顔、暗いぞ」と、“新参者”ながらも周囲にゲキを飛ばす。そんな姿に男子レスリングの佐藤満監督は「周りに元気を与えてくれる。活気が出てくるのはありがたい」と、泉効果を口にした。
今後は総合格闘技と両立させながら、早ければ来年7月の全日本社会人選手権でデビューする。現時点ではフリースタイルの96キロ級が濃厚。「総合にもレスリングの技術が生きるのは間違いない」。総合とレスリング。“二兎(にと)を追う者”は、二兎ともゲットする。
(2010年8月25日)