日本相撲協会は26日、所有する大阪市西成区の土地の一部が暴力団に貸し出され、暴力団事務所として使用されていたと発表した。春場所の設営に使う資材の倉庫に利用していた土地のうち約8平方メートル分を貸し、賃料を得ていた。
協会側の弁護士によると、協会はある会社に97年4月22日から土地を貸していた。同社の実態は六代目山口組の二次組織だったが、協会は賃貸契約を結んだ際は、実態が暴力団だったことを知らなかったとしている。
当初は階段の建設用地として貸したものだが、実際には階段は作られず、建物が増改築され暴力団事務所として使われた。6月に大阪府警から通報された協会は、反社会的勢力との関係を遮断するために取り組んでいるところであり、近日中に土地の明け渡しなどを求める訴訟を起こす。
この土地には協会の出入り業者しか立ち寄らないため、事態の把握が遅れたという。放駒理事長(元大関魁傑)は「私も今日聞いた。弁護士さんにお任せしている。隠していると思われてはいかんから公表した」と話した。
(2010年8月26日)