もう我慢ならん。セラドームに詰めかけた虎党も不快指数が高まった。5位・広島にまさかのカード負け越しで、首位陥落&ロード負け越しというWパンチ。ファンの怒りが爆発だ。
「(下柳は)何とかね、粘って投球してくれたけど…」
真弓監督の表情も曇った。2軍再調整していた下柳を復帰させて先発に立てたが五回途中で4失点KO。夏の長期ロード20試合、先発が5回まで投げ切ったのは11度。6回までだと5度しかない。その惨状にファンも我慢の限界だ。
「投手陣全体アカン。安藤もやし…」<大阪・枚方市の井筒敏幸さん(45)=会社員>
「先発がしっかりしないと。下柳も勝ち星は多いかもしれんけど、打線が助けてついた星。もっと若手が出てこないと」<大阪市の田中恒美さん(49)=会社員>
「先発陣がもたない。投げたら3点以内で抑えないと厳しい。これじゃあ巨人に太刀打ちできない」<大阪市の北山大介さん(30)=公務員>。
ファンの怒りの矛先となった投手陣。担当部門のコーチはザンゲするしかない。
「次がんばります。投手が悪いんです。わたしの責任。(投手が崩れると)試合にならない」
久保投手コーチが険しい表情で口にした。故障者続出を含め、調子を落とす選手が続出。状況が状況だけに、ファンからも“管理責任”を問われかねない。
同じく山口投手コーチの表情も冴えない。「下柳はよくもなく悪くもなく…。先発候補? すぐには(答えが)出ない。毎日考えています」と悩みを訴えた。
前日にKOされた安藤がこの日、抹消。腰痛で離脱中のスタンリッジは鳴尾浜で2度目のブルペン入りも、最短の29日・ヤクルト戦(神宮)での復帰は不可能となった。さらに、左の中継ぎとして奮闘していたルーキー藤原が左肩の違和感できょう27日、抹消される模様。桟原の昇格で補充する方向だが…。夏の長期ロードは残り3試合。チーム防御率はロード前の3・96からロード中は6・05。先発陣に限れば6・96と壊滅的な数字が並ぶ。
「あしたからがんばります」。真弓監督が語気を強めた。この日、ウエスタンで実戦復帰した能見の昇格まで早くとも2週間かかる。27日からは好調のヤクルト戦(神宮)。投手陣が“火の車”のままでは、明るい秋は、見えてこない。(堀 啓介)