小沢前幹事長が民主代表選出馬表明！「脱」に反発

民主党代表選への出馬を表明した小沢前幹事長

　民主党の小沢一郎前幹事長（６８）は２６日、民主党代表選（９月１日告示、１４日投開票）に立候補する考えを表明した。同日朝に会談した鳩山由紀夫前首相（６３）も、小沢氏を支持することを表明。小沢氏は、表明初日から本格的な多数派工作をスタートし、先手を取った。再選に黄信号がともった菅直人首相（６３）は「正々堂々戦う」と話し、党分裂や政界再編をも引き起こしかねない全面対決が幕を開けた。

　小沢氏はこの日朝、鳩山氏と、東京・六本木の鳩山氏の事務所で会談。終了後、大勢のマスコミに囲まれながら「鳩山氏から『出馬を決断するなら、全面的に支援していきたい』との話をいただいたので、今日、鳩山氏の前で、不肖の身だが、代表選に出馬する決意をしました」と、堂々と出馬宣言した。

　党内最大の約１５０人を抱える小沢グループだが、小沢氏は午後には、早くも多数派工作への先手を打った。報道陣４０人以上を引き連れ、衆院第１、第２会館を徒歩で回り、晴れ晴れとした表情で「おじゃましま～す」。午後５時頃、態度を表明していない旧民社党グループの幹部・田中慶秋衆院議員（７２）、旧社会党系グループの代表格である赤松広隆前農水相（６２）らの事務所を相次いで訪問し、支持を訴えた。党内最長老格の羽田元首相とも直接会って支持を取りつけた。

　また、小沢氏に近い衆院議員でつくる「一新会」も、鈴木勝昌会長ら約２０人が国会近くの事務所で結束を確認。選対本部の立ち上げや地方議員、党員・サポーター票獲得をめぐり協議した。

　「脱小沢」路線をかたくなに曲げない菅首相の姿勢が、小沢氏を出馬に踏み切らせた。鳩山氏は２４日の小沢氏との会談に続き、２５日には官邸で菅首相と会談。参院選敗北の責任のあり方や、「脱小沢」路線を快く思っていない小沢氏の心中を伝え、路線の修正と、小沢グループとの挙党一致態勢を要請。小沢氏を副首相など党の要職に就かせるという案だったというが、首相は難色を示した。首相の意向を２６日に鳩山氏から伝えられ、小沢氏が出馬の決意を固めた。

　小沢氏の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件は、検察審査会が審査中。今秋に予定される議決で、小沢氏は強制起訴となる可能性もあるが、原口一博総務相（５１）は「何の問題もない。同志を信頼して支える姿勢が、党員に求められている」と、小沢氏支持を示唆した。

　首相が小沢氏を念頭に「権力の二重構造」を否定したことで、あらためて「脱小沢」の是非が最大の争点に浮上した。民主党の分裂を招きかねない全面戦争がスタートしたが、小沢氏が先手を取った形。小沢氏は近く、出馬の正式会見を開く見込みだ。

（2010年8月27日06時01分スポーツ報知）