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17人の死刑執行 東京拘置所の刑場を初公開

報道機関に公開された東京拘置所の刑場の「執行室」
報道機関に公開された東京拘置所の刑場の「執行室」
Photo By 共同

 法務省は27日、死刑を執行する東京拘置所(東京都葛飾区)の「刑場」を報道機関に公開した。写真と映像を伴うのは初めて。死刑制度の存廃論議や裁判員裁判に影響を与えるとみられるほか、執行する死刑囚の選び方や処遇の実態など、いっそうの情報開示を求める動きも強まりそうだ。

 民主党政権交代後、初の死刑執行があった7月28日、千葉景子法相は自ら執行に立ち会ったことを明らかにした上で、「国民的な議論に資する」と8月中に公開するよう指示していた。公開後、記者会見した千葉法相は「死刑確定者やその関係者、刑務官の心情に配慮し、警備上の制約もある中、可能な限りの情報提供だった」と述べた。

 法務省は従来、「厳粛な場所で一般公開にはなじまない」とし、衆参両院の法務委員会の議員らの視察を除き、刑場立ち入りをほとんど許可していなかった。

 この日、立ち入ることができたのは(1)所持金品の扱いや遺言の有無を確認、宗教的な話をする「教戒室」(2)拘置所長が正式に執行を告知する「前室」(3)死刑囚が立つ踏み板とロープを掛ける滑車がある「執行室」(4)執行室の踏み板を作動させる三つのボタンが並ぶ「ボタン室」(5)検察官や拘置所長らが見守る「立会室」。

 ロープはなく、踏み板も閉じられた状態での公開。執行室の下にあり、宙づりになった身体を下ろして収容する部屋は許可されなかった。拘置所内の刑場の位置は「警備上の理由」で明らかにされなかった。刑場は東京拘置所の改築に伴いつくられ、2006年12月以降、17人の刑が執行された。

 死刑をめぐって法務省は長年、執行の事実すら公表せず「密行主義」との批判があった。1998年11月からは執行した事実と人数を明らかにするようになり、07年12月以降は氏名や執行場所を公表している。

 27日現在の確定死刑囚は107人。刑場は東京のほか、札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡の計7カ所にある。

 今回の立ち入りは、法務省の記者クラブに加盟するマスコミ各社に約30分間許可された。写真と映像はそれぞれ代表社が撮影した。

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2010年08月27日 12:20 ]

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