話題の新製品っすね。
まず何が凄いって、このエフェクターを設計したのがジェームス・ブラウン氏であるという一点に尽きるでしょう。
…まぁ、同姓同名なだけですけどね。むしろ現地アメリカでの方が、この点は突っ込まれてるんだろうなぁ。
僕の脳内ではカップヌードルにお湯入れた後踊りまくってる偉大なるオッサンしか浮かんできません。あとマントを肩に掛けられて力なく去っていく姿とか。
うん、この動画は全く関係ない。
で、輸入代理店の解説によると、そのジェームス・ブラウン氏はPeaveyで設計をされていて、あのEVHの5150なアンプの製作に携わったらしいです。
ジェームス・ブラウンがEVHのために、ですからね。想像が追いつきません。会話は成立したんでしょうか。
そんなジェームス・ブラウン氏が長年の経験と数々のプレイヤーの意見を集約して作り上げたのが、Amptweakerのエフェクトペダルとのこと。
もちろん僕の脳内にいるジェームス・ブラウンは、そんなチマいことをしません。
で、ジェームス・ブラウン氏が作り上げたTight Driveの特徴ですが、
・見るからに頑丈な作り。重量はちょっと重めでステージ上でも動かず安定感ありそう
・ツマミを誤って踏まないよう傾斜のつけられた機能性の高いデザイン
・ハイゲインディストーションからクリーンブーストまで対応する歪みの幅広さ
・アタック感と中低音を調節する独特な“Tight”ツマミを搭載
・筐体背面にエフェクトループを搭載、スイッチひと踏みで同時にエフェクト
・しかもループの前段/後段を切り替えられるスイッチ付き
・電池の交換はネジ要らず
・ケーブルを接続したままでも電池を消耗させないよう電源スイッチを搭載
・アダプター接続時には4つのツマミを照らす4ヶのLED付きでライブ中の設定変更も安心
・ハンドメイドおよびトゥルーバイパス
どうよ。この細やかな気配り。痒いところに手が届くとは正にこのこと。
プレイヤーへの心遣いと言う点では全歪みエフェクターの頂点に立ったんじゃないでしょうか。
名機という誉め言葉に胡坐かいて殿様商売みたいになってる気がする某大手エフェクターメーカーに送りつけたいぐらいですよ。
「エフェクターメーカーは、プレイヤーの気持ちをどこまで汲み取って作っているのか?」という今更なことを考えさせてくれる、存在自体が問いの様なエフェクターです。
で、試奏および出音です。
上でコレだけ誉めておいてアレなんですが、この黒い手持ちみたいな部分は謎ですよね。電源スイッチの保護のためでしょうか。ツマミを回す際に、僕よりも指が太い人だと邪魔になるかもです。ツマミの感触はやや固めで良好でした。
あと電池の交換に道具が要らないのは素晴らしいんですが、スペースが結構ギリギリなんで最初コツがいります。筐体を裏返しにして出し入れすると立てつけも悪くなくスムーズにいきます。
出音ですが、ある程度ハイゲインにはなるものの、凄いハイゲインではないです。ディストーションより歪むぐらいでしょうか。ローノイズな方だと思います。
フルテンにすると音が抜けて気持ち良いです。中身のある歪みではありますが、強い重低音は出ないようですね。設定にもよりますが、歪みの質は全体的に固く、クリスプな印象です。あとメタルっぽさはほとんど感じませんでした。
オーバードライブ、ブースター的な使用もできます。つーかむしろそっちの方が得意そうな気もします。
アンプの歪みと合わせると、初期OD-1に肉薄するぐらいの軽快で中音域豊かなサウンドにもなります。心地良いですね。使い勝手は本当にいいです。あと、ピッキングニュアンスも充分に出せてました。
最後にエフェクトループは、例えばHR系で歪みにコーラスを混ぜて煌びやかにさせるといった使用で効果を発揮しそうな気がします。使い方次第で面白そうです。
以上です。大雑把な使い方からアンプやギターと兼ね合う細やかな調節まで、幅広く使える非常に扱いやすい歪みエフェクターではないかと思います。どなたにでもオススメできそうです。