フィギュア:ヨナVSオーサー氏、対立深まる

キム・ヨナ側「オーサー氏の行為は道徳的に逸脱している」

キム・ヨナ(右)はブライアン・オーサー・コーチと完全に決別するのか。オーサー氏が26日、海外メディアとのインタビューでキム・ヨナの新プログラムについて語ったことをめぐり、両者の間で激しい舌戦が繰り広げられている。/写真=チョ・ビョングァン記者

 対立の根は深いようだ。キム・ヨナとブライアン・オーサー氏の「攻防」が第2ラウンドに突入し、無責任な暴露や露骨な批判まで飛び出す始末だ。今回の騒動を機に、冬季五輪で優勝を成し遂げた「子弟の情」は完全に失われた格好だ。

オーサー・コーチ、キム・ヨナの新プログラムを暴露

 オーサー氏は26日、AFP通信とのインタビューでキム・ヨナの2010-11シーズンのフリープログラムの内容を打ち明けた。同氏は「韓国の伝統曲『アリラン』をベースに、いくつかの韓国音楽を編集した幻想的なプログラムだ。これまでで最高といえる」と語った。

 続けて「(バンクーバー五輪フリーのプログラム)『へ調の協奏曲』を超える」とコメントし、ショートプログラム(SP)の進行状況については、「振付師のシェイリーン・ボーン氏が来月初めごろに完成させる見込みだ」と語った。オーサー氏のこうした発言は、慣例を破った反則行為といえる。

 フィギュアスケートのプログラム作業は非公開で行われ、選手が公式に発表するのが一般的だ。キム・ヨナとオーサー氏は昨夏、冬季五輪で演じる新プログラムを準備する際、情報漏えいに細心の注意を払ってきた。

キム・ヨナ側がオーサー氏を批判

 オーサー氏の発言に、キム・ヨナ側は憤りをあらわにした。キム・ヨナのマネジメントを担当するオール・ザット・スポーツ(ATスポーツ)は、「ブライアン、誹謗(ひぼう)や暴露はやめてほしい」と題するプレスリリースを発表し、オーサー氏を強く批判した。

 ATスポーツは、「オーサー氏は、メディアを通じて選手を批判するといった非理性的な行為を即刻中断せよ。新プログラムを暴露したのは、指導者として道徳的に逸脱した行為であり、キム・ヨナに害を与えるための意図的な行動と見なすほかない」と批判した。

 キム・ヨナの振付師デヴィッド・ウィルソン氏もATスポーツを通じて、「オーサー氏の行動に大変驚いている」との考えを示した。キム・ヨナ側は、騒動の波紋がさらに広がっている中、「選手とコーチが契約を解消するのはごく一般的なこと。不都合な関係が続くのは望ましくない」とコメントした。

 加えて、「オーサー氏がキム・ヨナの練習に関連する機密事項をさらに公表した場合、マネジメント社の次元で対応する」と警告した。

 キム・ヨナとオーサー氏は現在、「呉越同舟」の状況にある。キム・ヨナはカナダ・トロントのクリケットクラブで練習中で、オーサー氏も同所でほかの弟子たちを指導している。ATスポーツは、「キム・ヨナは現在、今後の練習計画について検討している」と話した。

陳仲彦(チン・ジュンオン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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