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 るるるると耳を澄ませば瀧田姫水散る夜に舞ひはじむ音

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久々に山を歩く。さすがにまだ地元の山は暑過ぎて、今回は山のHPに夫がコーナーを設けていた「軽井沢を起点として」に山頂を増やすべく、浅間山の寄生火山である石尊山。途中お不動さまが二体あり、少し脇へ入れば座禅窟なる岩屋にも石仏があるとかで、暑さ避け・新ピーク・民間信仰に関する史跡と一石三鳥。
散歩は別にしてほぼひと月ぶりの山歩きなので前夜から浮き浮きと早寝をすれば、結局は夜中に目覚めてそのまま眠らずに歩くことになり、けっこうバテた。

この山頂直下で、なんと静養中に山歩きをなさっていた天皇陛下と秋篠宮ご一家に遭遇!
嘘か真かは知らないが、皇族が山登りをする際は新たな道や施設などが出来て、それまでの道や自然が変化してしまう、などと聞いていたが、せいぜい細い登山道の両脇が少し刈ってあるくらいのものでごく普通の山道、血の池からはかなりな急坂。もうおいくつになられるのか、ちょうど頂上からしっかりと降り始められたあたりで、こちらは汗まみれですれ違うことになり、丁寧にどこから来たのか、などと聞かれ、小さな悠仁さまに ごきげんよう などと言われて舞い上がる。

メディアで見るままのお顔が次々と、優雅な会釈とご挨拶で、前後を挟む警備の方たちもにこやかに通り過ぎ、失礼ながら山中で熊に遭う確率よりもまだ少ない確率のはず。山頂からの浅間山の雄大な稜線、反対側の山並みと見下ろす町、咲き乱れる花野、それらを楽しむより前に同行者や後から登って来た登山者とこの邂逅を語り合い、それまでほとんど興味がなかった方々とはいえ、さすが日本の象徴、やはりいささか興奮した。

山にはもう松虫草が新鮮な花色を見せ、すすきの穂も鮮やかに秋の気配は濃厚で、本日のお題【瀧田姫】はすでに錦の衣をつけて舞台をせり上がる準備万端。
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砂女

Author:砂女
日々是茫々