ホメオパシーは科学的である故に、批判される。
 私がブログ夏休み中にすごいことになっていた。システム論をペースにしたネット論客である情報学ブログさんのブロクが炎上したようである。
http://informatics.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-5cb3.html
「科学はホメオパシーを否定できない」というニセ科学批判者の道徳意識を逆なでするタイトルにも炎上の原因がある。はてブもすごいことになっている。「科学はホメオパシーを否定できない」というタイトルがニセ科学批判者によるブログ炎上プラスはてブの多量批判コメントを招くことぐらいは、もはや情報学の池田氏なら、情報学的に予測していたことと察する。
 ブログ炎上ついては、今更という気がするので、何も言わないが、気になったのは、ホメオパシーそれ自体である。
 
 情報学さんの主張は、ホメオパシーが西洋近代医学=科学の論理と根本的に異なる故に、科学によってホメオパシーが否定されないという意味と受け取った。システム論的には、もし異なる論理=異なるコードに基づくのなら、互いに閉じており、互いに否定することができなくなるので、情報学さんの理解は正しいと思う。
 
 しかし、ホメオパシーは、西洋近代医学と根っこは同じであると言いたい。そもそも創始者のサームエル・ハーネマンは西洋ドイツの医者である。つまり、西洋近代医学の人である。ただし、実証的な根拠が希薄であり、類似の法則などと称する飛躍的な仮説を立てていることから、批判されているだけである。医学の歴史からすると、これは西洋医学内の闘争、つまり科学内部の闘争である。ホメオパシーは未発達な西洋医学であり、現代の科学からすると誤りであるということである。ホメオパシーは未発達な誤った科学であり、現代の科学者から批判されても仕方がない。
 ホメオパシーが科学と共有している部分があるから、科学から批判されることになる。ホメオパシー理論に基づいた「水の記憶」を発表したジャック·ベンベニストも、科学者である。
 とにかく、これは、科学内部の闘争だから、科学自身が自己言及的に真偽の決着をすることになる。ホメオパシーの論理は、神や心霊などの宗教と比較すれば、明らかに科学と認識枠組みを共有している。科学と同じく、物質世界の因果関係を対象としており、なおかつ実験的な方法を取り入れている。ホメオパシーの本質は、できそこないの科学である。それ以外、言いようがない。
 ただし、ニセ科学批判としてよりも、医学(科学)論争として決着をつけるべきことがらである。また、多くの場合、ニセ科学を生み出すのは、当の科学であり、科学の自己責任である。

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by merca | 2010-08-16 00:14 | Trackback | Comments(0)
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