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円高悲痛!企業の“日本脱出”加速 手こまねく政府・日銀に見切り (1/2ページ)
このニュースのトピックス:金融政策
円高に手をこまねく政府・日銀にしびれを切らした民間企業が、自助努力による防衛策に乗り出している。経済産業省が27日まとめた緊急調査では、製造業の4割が拠点を海外に移転すると回答した。中小企業からは悲鳴があがる。民主党代表選という権力闘争に明け暮れ、このまま円高を放置すれば、見切りを付けた企業の“日本脱出”が止まらなくなる。
「業績に大きな影響が出る。きわめて深刻に受け止めている」。スズキの鈴木修会長兼社長は急激な円高に危機感をあらわにする。
同社が来月18日に国内で発売する世界戦略車の新型「スイフト」は、欧州やインドなどアジアにも順次投入する計画。欧州向けを生産するハンガリー工場では、部品の6〜7割を現地で調達し、残りは日本から輸出している。しかし、円高で輸出採算が合わなくなり、「現地調達をさらに増やす必要がある」(鈴木会長)と、国内での発注をさらに絞り込まざるを得ない状況だ。
日産自動車は、7月発売した世界戦略車「マーチ」をすべて海外生産し、国内向けもタイから逆輸入するという“常識破り”に踏み切った。国内から輸出していては、新興国市場で価格競争に勝てない。日本で国内向けだけを生産しても、規模の面で採算が合わないためだ。
日産の志賀俊之最高執行責任者(COO)は「(国内では)必死にコスト削減の努力を続けているが、90円以上の円高は厳しい」と話し、国内製造拠点への投資は見直さざるを得ないとの考えを示す。
三菱自動車も平成23年度にも売り出す世界戦略車について、国内向けは建設中のタイ工場から逆輸入することを検討している。