中村梅雀と菊川怜が、9月の東京・明治座公演「女は遊べ物語」(司馬遼太郎原作、齋藤雅文脚本、西川信廣演出)で夫婦役を演じる。
織田信長の家臣伊藤七蔵(梅雀)は、戦場で助けた小梅(菊川)を家に連れ帰り、三好家の姫と信じて妻とする。だが実は小梅は侍女。正体を隠した上に浪費家ぶりを発揮し、七蔵を悩ませる。
「テレビでは夫婦も親子も演じましたが、舞台では初共演です」と梅雀。菊川は「けいこでは梅雀さんの俳優としての偉大さを感じています。動きも表情も何もかもが素晴らしい」と絶賛する。
演技について梅雀から菊川にアドバイスすることも多い。「舞台では、どう動いたらどう見えるか、それをつかむチャンスが怜ちゃんにはなかったんだと思います。この芝居で俳優として大きくなってもらえたら」
七蔵は妻の浪費分を稼ぐために武勲をあげ、それが出世にもつながる。「いつも熱くてテンションの高い男。エネルギー配分が大変そうです」
菊川は「ユーモアも感動的な場面もある作品です。騒々しくて嫌な女にならないように小梅を魅力的につくりたい」。2008年に主演した「チャングムの誓い」以来の舞台。「前回までは余裕がありませんでした。今回は舞台の面白さを発見できる予感がします」と手応えを感じているようすだ。
音無美紀子、なべおさみ、江藤潤、石倉三郎らの共演。9月3~26日。問い合わせは03・3666・6666へ。【小玉祥子】
毎日新聞 2010年8月26日 東京夕刊