円高放置なら製造業の4割が日本脱出 経産省調査

2010.8.27 13:37

 直嶋正行経済産業相は27日の閣僚懇談会で、1ドル=85円台の円高が継続した場合、製造業の4割が工場や開発拠点を海外に移転するとした緊急調査の結果を報告した。円高の急速な進行で、対ドルで製造業の約6割が、ユーロでは約5割が減益になると回答。円高が企業業績に深刻な打撃を与え、国内産業の空洞化が加速する恐れが強いことが鮮明となった。直嶋経産相によると、調査結果を踏まえ菅直人首相が同日中に円高への対処方針を表明する。

 調査結果によると、製造業の6割が「海外での生産比率を拡大する」と回答した。また中小企業は、1ドル=85円台の円高が続けば約7割が減益になると回答。特に下請け業者では8割強が「減益になる」と答え、取引先のコストダウン要請や海外企業に受注を奪われるなど深刻な収益悪化に陥る恐れがあるとした。

 調査は製造業を中心に200社に対し、11~24日までの期間に聞き取りで行った。製造業では自動車や電機、非鉄金属、産業機械、繊維などから、主要な輸出企業を選んで実施した。

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