2010.8.25 05:00
トヨタ自動車の伊地知隆彦専務も「基本的には売れる地域でつくっていく」と、海外生産を拡充していく考え。同社は中長期に1ドル=85~95円、1ユーロ=110円でも利益がでる生産体制の構築を目指している。ただ足元の円高は想定以上の水準に進んでおり、海外シフトにより踏み込んだ体制の見直しを迫られそうだ。
内閣府が今年1月時点で国内約2500社に実施した調査によると、製造業の海外生産比率(金額ベース)は、2009年度の17.8%から14年度には20.1%に拡大すると予測されている。だが、歯止めのかからない円高基調に、パナソニックは今月、プラズマパネルの国内生産設備の一部を、需要が拡大する中国に移すことを決めた。シャープも看板商品である液晶パネルの中国での合弁生産に乗り出すなど、新興国を中心に海外生産を拡大する動きは、多くの輸出企業に急速に広がっており、製造拠点の日本離れは内閣府の調査予測を超えるペースで進む可能性もある。
M&Aに追い風
一方、円高を追い風に収益力を高めて、グローバル企業としての地盤を着々と固める企業もある。積極的なM&Aで、事業拡大を進める日本電産だ。同社は今月18日、米電機大手エマソン・エレクトリックのモーター事業部門を買収すると発表。永守重信社長は「会社を買うという面では追い風となる」と円高を歓迎するたくましさをみせる。
円高見越して“海外脱出”
積極買収で国際競争力強化
円高逆手に資源権益を確保