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0・3%ではなく29・7% 「生活とても苦しい」 アイヌ民族調査で道が入力ミス

(08/21 09:27、08/21 09:50 更新)

 道は、2006年に実施したアイヌ民族の生活実態調査報告書に記載ミスがあったことを明らかにした。調査結果では、生活がとても苦しいと答えた人が全体の0・3%としていたが、正しくは29・7%だった。道は「アイヌ民族の方々をはじめ、関係者におわびしたい」と陳謝している。

 報告書は、アイヌ民族の生活向上施策などを検討する際の基礎資料となるもの。記載ミスがあったのは、アイヌ民族300世帯を対象に行った聞き取り調査の生活意識に関する項目。

 報告書では、現在の生活について「とても苦しい」と答えた人は0・3%で、前回調査(1999年)の31%から大きく減少していたが、正しくは29・7%でほぼ横ばい。逆に「(生活が)豊かである」と答えた人は29・7%だったが、実際は0・3%だった。

 道アイヌ政策推進室によると、パソコンで報告書を作成する際、数字を打ち込む記入欄を間違えたのが原因。今回、国が道外のアイヌ民族の生活実態調査を実施するのに合わせて過去の資料を点検したところ、ミスに気がついたという。

 調査は、道がアイヌ民族の生活実態を把握するため1972年に始まり、7年に1度行っている。07年に今回の調査結果を公表した際、北海道アイヌ協会(当時は北海道ウタリ協会)は調査結果に対し「実態と合ってない」と指摘していた。同推進室は「当時、数字のチェックをしたが見逃してしまった」としている。

 同協会の阿部一司副理事長は「調査の根幹にかかわる部分で、数値を間違えたのはとんでもない。調査内容や回数も不十分なので、きちんと見直してほしい」と話している。

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