金総書記訪中:前回の訪問から3カ月でなぜ?(上)

1、情勢の変化図った可能性

2、44年ぶりの党代表会議控え、キム・ジョンウン氏に権威付け

3、5月の訪中時の意見の相違を解決し、支援を要請か

 26日に始まった北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の訪中は、今年5月の訪中からわずか3カ月という時期に当たる。金総書記は権力継承以降、今回を含め6回訪中しているが、今回のように1年に2回訪問した例はない。

 その理由について、幹部出身脱北者のAさんは「金総書記が今回の訪中を過去の訪問とは別の次元で考えている可能性がある」と指摘した。金総書記が当初から故・金日成(キム・イルソン)主席の史跡をたどることを計画していたとすれば、今回の訪問は表面上は訪中だが、実際は「金日成革命史跡地の探訪」ということになる。そうだとすれば、前回の訪問からわずか3カ月で中国を訪問したという点は重要ではない。

 韓国統一部関係者は「朝鮮労働党の代表者会議が2週間後に近づいた点に注目すべきだ」と述べた。金総書記の三男、ジョンウン氏は、44年ぶりに開かれる代表者会議で、公式であれ、非公式であれ、後継者としての地位を獲得するとみられる。北朝鮮当局は1年余りの短期間に宣伝、扇動工作を通じ、多方面でジョンウン氏の業績を「生産」したが、金日成王朝の正統性の問題はまだ完全には解決していない。

 韓国の安全保障担当官庁関係者は「金総書記の後継者として有力なジョンウン氏は、母親が北朝鮮で『二等市民』扱いされた在日出身で、金日成王朝を継ぐには先天的な限界がある。金正日父子は時間があまり残されていない状況で、正統性の論議を避ける方法は、金日成革命史跡地の巡礼しかないと考えたのではないか」と分析した。

 労働新聞など北朝鮮のメディアが26日、一斉に「朝鮮労働党代表者会議を控え、市、区域、郡の党代表者会議が最近開かれた」と報じたことも、今回の訪中と密接に関係している可能性がある。北朝鮮はまず市、区域、郡の代表者会議を各地で開き、道、直轄市レベルの代表者会議を経て、全国規模の代表者会議を9月初めに開く予定だ。

金正日総書記の特別列車が通った満浦鉄橋。北朝鮮の慈江道満浦市と中国の吉林省集安市を結んでいる。2005年4月撮影。/写真=崔淳湖(チェ・スンホ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る