買春犯講習制度の問題点とは(下)

再犯統計なし、教育効果にも疑問

 ジョンスクールの最大の目的は再犯防止だが、受講者の再犯に関する統計は存在しない。受講者は初年度の2005年の2214人から昨年は3万4762人へと、4年間で11倍に増えた。女性団体傘下の済州現場相談センター「ヘネム」のホン・リリ所長(46)は「ジョンスクールの教育が再犯防止効果を上げているという報告書を全く見たことがない」と話した。

 これについて、法務部のカン・ホソン保護観察課長は「発足当時から8時間の講習で買春男性の認識が変わるとは期待していなかった。制度の目的は男性に恥ずかしさを感じさせることだ」と説明した。しかし、淑明女子大法学科のキム・ヨンファ教授は「ジョンスクールの受講者が増えたのは、買春男性が恥ずかしさを感じさせるどころか、受講しさえすればよいと考えているからだ」と指摘した。

 買春男性は毎年増え続けているが、ジョンスクールに投じられる予算は不足している。専用の予算ではなく、各地の保護観察所の予算で運営されている。ジョンスクールが法律に基づき設置されたものではなく、独立した機関によって運営されているものでもないためだ。保護観察所のジョンスクール運営予算は2006年の1億2600万ウォン(約890万円)から今年は5億760万ウォン(約360万円)に増加したが、それでも足りない。現場の講師は2時間の講義で10万ウォン(約7000円)の報酬を受け取る。交通費を差し引けば、事実上ボランティアに等しい。

 大邱市のある女性講師は「筆記用具、教材はもちろんなく、飲料水も設置されていない。受講生に寝るなといって、自腹で自販機のコーヒーを配ることもある」と話した。

 韓国女性人権振興協会のイ・ファヨン院長は「米国のように買春男性に教育分担金を払わせ、講義への集中度を高めたり、数百億ウォン(数十億円)に上る売買春の犯罪利益の没収分を活用し、制度を従来の目的に沿ってしっかり運営したりする必要がある」と訴えた。

朴国熙(パク・グクヒ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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