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貧困ビジネス:大阪の会社社長ら逮捕 生活保護費詐取の容疑

 多額の資産がある知人の男をホームレスに仕立てて大阪市から生活保護費をだまし取ったとして、大阪府警浪速署は25日、大阪市天王寺区の不動産会社「家のはしら」社長、金太烈(たいれつ)(57)=韓国籍、神戸市灘区六甲町=と知人のマージャン店アルバイト、柳沢信一(62)=兵庫県西宮市甲陽園東山町=の両容疑者を詐欺の疑いで逮捕した。金容疑者は「一切、身に覚えがない。違法な行為はしない」と否認し、柳沢容疑者は「間違いない」と認めているという。

 金容疑者は大強起徳(だいきょうきと)と名乗り、「囲い屋」として、130人以上の生活困窮者を囲い込んで保護費を吸い上げる貧困ビジネスを展開していたとされ、府警は実態解明を進める。

 2人の逮捕容疑は09年9月、多額の資産があり、マンションに住む柳沢容疑者をホームレスと偽って大阪市に生活保護費を申請。賃貸住宅への入居に伴う敷金扶助など保護費計約40万円を不正受給した、としている。柳沢容疑者は10月分と11月分の保護費計約24万円も受け取っていた。

 浪速署によると、柳沢容疑者は06年ごろ、義父の遺産数千万円を相続し、生活保護の申請時には預貯金など1000万円を持っていた。しかし、大阪市浪速区役所で生活保護を申請した際、「資産はない。浪速区の電気街で路上生活し、所持金は2000円」と偽った。柳沢容疑者は、現金で支給された保護費約40万円の大半を、申請に同行した金容疑者に手渡したという。

 柳沢容疑者は当時、大阪市淀川区の同社所有のマンションに住み、淀川区に住民登録していた。しかし、浪速区役所は、多額の資産の存在や住民登録に気付かなかった。【阿部弘賢】

毎日新聞 2010年8月26日 東京朝刊

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