不動産会社社長らによる生活保護費詐取事件で、詐欺容疑で逮捕された「家のはしら」社長の金太烈容疑者（57）が、同社所有のマンションに住んでいたアルバイト店員の柳沢信一容疑者（62）＝同容疑で逮捕＝に対し、路上生活者を装った生活保護費の詐取を持ちかけたとみられることが26日、大阪府警浪速署などへの取材で分かった。

　浪速署によると、柳沢容疑者は2006年２月から大阪市淀川区のマンションに居住。08年12月、「家のはしら」がこのマンションの所有権を獲得したことで、金容疑者と入居者の柳沢容疑者が知り合ったとみられる。府警はその後、金容疑者が柳沢容疑者に路上生活者を装うよう持ちかけたとみて、裏付けを進めている。

　逮捕容疑は09年９月、生活保護申請の際、柳沢容疑者に資産や収入があるのに「路上生活をしている」と生活が困窮しているように装い、大阪市から住宅扶助などの名目で生活保護費約40万円をだまし取った疑い。

　浪速署によると、この現金40万円を柳沢容疑者が受け取り、「家のはしら」の事務所に持参。金容疑者が柳沢容疑者に取り分として約６万円を渡していたという。